TOEICのスコアで英語レベルを把握!弱点克服の為の方法

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TOEICの結果通知を受け取ったら、スコアをすぐに確認しますよね。しかし、それ以外の部分はほとんど見ないという人が多いのではないでしょうか。

しかし、スコアは今の自分の英語力や、弱点を知るための重要な指標になります。

結果通知でスコアを確認するだけでなく、スコアから自分の英語レベルを知り、次の目標設定に役立ててみましょう。

TOEICのスコアで英語力を測る

スコア表で長所と短所を知る

TOEICのスコアから、自分の英語力を知ることができます。TOEICの公式ホームページ(http://www.iibc-global.org/toeic/test/lr/about/result.html)には、スコア別の英語レベル、弱点がおおまかに書かれています。その表を簡単に示すと、以下のようになります。

リスニングセクション

長所・短所

5~270

・写真描写で、写真の趣旨に関する短い文章を理解できる。

・情報が何度も繰り返される場合や語彙が簡単な場合は、長い聴解文でも理解できることがある。

・短い文章の、語彙が簡単な場合や一部だけの理解で解ける問題であれば理解できる。

・語彙が複雑であったり、構文が複雑であったりすると話の詳細を理解できない。

275~370

・短い会話文で、中級レベルの語彙が使われていれば理解できる。

・情報が少し言い換えられている場合も理解できる。

・間接的な応答や難しい語彙の理解が困難。

・長い聴解文で、広範囲において情報を関連付けなければいけないとき、話の主旨や基本的な文脈などが理解できない。

375~495

・間接的な応答や幅広い語彙を使用した文章も理解できる。

・幅広い語彙が使用されていても、話の主旨や基本的な文脈などが、長い聴解文でも理解できる。

・短い会話文で、難解な語彙や複雑な構文が使用されていても詳細を理解できる。

・広範囲にわたって情報を関連付けられる。

※あまり使用されない語彙や文法が出てくる場合にのみ弱点が見られる。

リーディングセクション

長所・短所

5~220

・広範囲を読む必要がない場合や、文章中の表現が問題文で言い換えられていない場合は正しい答えが分かる。

・簡単な語彙、使用頻度の高い句を理解できる。

・文章中の情報からの推察、および言い換えが苦手。

・語彙力が不足している。                    など

225~320

・限られた長さの文章で簡単な推測ができる。

・一つの文、二つの文の情報を関連付けられることもある。

・初級~中級の語彙を理解できる。

・難しい語彙を使用した言い換えや、二つ以上の文章にわたって情報を関連付けることが苦手。

325~420

・文章の主旨、目的を推測できる。

・言い換えがあっても情報を正しく理解できる。

・中級レベルの語彙や、文脈中の難しい語彙などを理解できる。

・似たような意味で使われる複数の単語を区別するのが苦手。    など

425~495

・文章の主旨や目的を理解し、言い換えがあっても情報を正しく理解できる。

・文章全体にわたる情報を関連付けることができる。

・頻出語彙の例外的な意味、慣用句的表現を理解できる。

・規則に従った分詞構文や、難解な文法構造を理解できる。     など

語彙が難しい場合や、複雑な方法で表現されている場合などにのみ弱点が見られる。

このように、リスニングとリーディングそれぞれのスコアから、長所と短所をおおまかに把握することができます。結果通知ではスコアだけでなくこの部分も確認しておくと、自分の英語レベルを知ることができ、次の目標スコアを設定しやすくなります。

例えば、リスニングセクションで300点、リーディングセクションで350点、合計650点だった人は、リスニングでの情報を関連付ける力や、リーディングでの語彙力強化などによって英語力を伸ばすと、1つ上のステージのスコアに到達することができます。このように、目標スコアを決めるときは、1つ上のステージに届くことを目標にしましょう。

また、何度もTOEICを受けていると、あるスコアを境に点数が伸びなくなることがあります。それは、弱点を克服できていないことを意味しているので、その場合も自分のスコアと長所・短所の表を照らし合わせ、自分の英語力と弱点をしっかり把握すると、次にTOEICを受けるときに何を重点的に勉強するべきかが分かりやすくなります。

リスニングとリーディングのスコアの違いから弱点を把握する

TOEICの結果通知には、リスニングセクションとリーディングセクションそれぞれのスコアも記載されています。この2つのスコアが近い場合もあれば、点数が離れている場合もあります。リスニングとリーディングの点数に大きな差がある場合、そこから克服すべき弱点を推察することができます。

リスニングのスコア>リーディングのスコアの場合

例えば、リスニングセクションが400点、リーディングセクションが320点だったとします。この場合、リスニングで400点を取れるだけの高い文法力と語彙力があるのに、リーディングではその実力を発揮できていないことになります。

その大きな要因は、おそらく以下の3つです。

  • スピードが足りずリーディングの途中で時間切れになってしまった。
  • 焦るあまりパート7の文章の情報を正しく読み取れなかった。
  • 中で解答欄を間違えた。

リーディングのスコアがリスニングのスコアから大きく引き離されてしまう主な原因として、「スピード不足」が考えられます。パート5とパート6で時間をかけすぎてしまうと、パート7の54問を解く時間がなくなります。

英語を聞き取れるということは、同じスピードで読んでも文章の構造や意味を理解できるということなので、自信を持って素早く読む練習をすることで、時間切れを防ぐことができます。あるいは、長文読解で情報を正しく理解することができていなかった可能性もあります。その場合は、結果通知の中の、項目別の正答率を見れば分かります。

パート7を最後まで解いたのに、「文書の中の情報をもとに推測できる」、「文書の中の具体的な情報を見つけて理解できる」、「ひとつの文書の中でまたは複数の文書間でちりばめられた情報を関連付けることができる」の3つの項目であまり点数が取れていない場合は、パート7が弱点と考えられます。

また、解答欄のミスという原因もありえます。分からない問題を飛ばしたときなどにこのミスが起こりやすいので、問題を飛ばして後で考える場合は、選択肢のいずれかに小さく印を付けておくと、解答欄がずれるミスを防ぐことができます。

リスニングのスコア<リーディングのスコアの場合

逆に、例えばリスニングセクションが320点で、リーディングセクションが400点だった場合は、以下の原因が考えられます。

  • スピードに付いていけず聞き取れなかった。
  • 正しい発音を覚えていないため聞き取れなかった。
  • 集中力が途中で切れた。

単語や文法の知識は十分にあっても、英語のスピードや正しい発音に慣れていないと、英語を聞き取ることはできません。

スピードや発音に慣れるには、音声を聞きながらシャドーイング(音声から遅れないように音読してついていくこと)やディクテーション(聞き取った英文を書き取ること)、コピーイング(音声を覚えて暗唱すること)などの、音声を活用した聞き取り学習を行うと、リスニングのレベルが上がります。

また、45分間のリスニングセクションの途中で、何らかの理由で集中力が切れてしまうこともあります。外からの音が原因になることもありますし、聞き取りがうまくできないことも、集中力が途切れる原因になります。普段から雑音が聞こえる場所で勉強する習慣を付けておくと、物音が聞こえても集中力を維持できるようになります。

また、難しい単語や長文の英語を聞き取れなかったときは、思い切って1問捨てて次の問題に集中しましょう。TOEIC上級者も、聞き取れない単語や文章はいくつかあるものです。特に、会話文やショートトークでは、聞き取れなかった単語のことは無視して、他の部分をしっかり聞き取れるよう集中しましょう。

リスニングセクションとリーディングセクションの点数が大きく離れている人は、次のTOEICでその差を縮めることを目標に勉強をしましょう。

TOEICを始めて受けるときの目標スコア

英検の級を参考にTOEICの目標点数を決める!

英検(実用英語技能検定)の級とTOEICのスコアは、ある程度照らし合わせることが可能です。これから初めてTOEICを受ける人で英検を持っている人は、英検の級を目標点数の参考にしてみましょう。英検とTOEICスコアのおおよその対比は、以下のようになります。

この2つの試験の対比には、様々な見解があります。「TOEICのスコア500点は英検準2級レベル」という意見もありますし、「英検1級はTOEICの900点以上に相当する」と言われることもあります。

TOEICも英検も、受験するタイミングによって難易度に多少の違いがありますし、この2つの試験では問われる英語力の種類が異なるので、明確に対比することは難しいと考えられます。

また、英検2級を持っていても、TOEICの出題形式やスピードに慣れていないと途中で時間切れになって500点に届きませんし、逆に、TOEICの問題に慣れていれば、英検1級を持っていなくても900点近い点数を取ることはできます。この対比は、あくまでも目標設定の参考として捉えておくと良いでしょう。例えば、英検準2級を持っている人は、TOEICでまずは400点~500点を目指すのがオススメです。2級を持っている人は、しっかりと対策、勉強を毎日続ければ、初めてでも600点に届くことは十分可能です。

TOEICや英検など、英語の試験を受けたことがないときは?

英検などの英語の試験をこれまでに受けたことがない場合は、TOEICを受ける理由と目的に合わせて目標スコアを決めると良いでしょう。

例えば、受験や就職などのために必要なTOEICのスコアが明確に示されていれば、その点数を目標に設定します。また、自分の英語力を測りつつ将来の英語学習に役立てたいという人は、まず400点~600点を目標にするのがオススメです。

また、海外留学や海外での就職を考えている場合は、TOEICで700点以上を取れるだけの英語力を身に付けることを目標にしましょう。海外経験やある程度の英語知識なしに、いきなりこのスコアを取得するのは難しいので、複数回連続で受験して、何度目かで目標スコアに到達できるよう計画を立てましょう。

最初は400点~600点を目指し、その目標スコアをクリアできれば次は600点~700点、その次は700点を超えられるよう、地道な勉強を続けることで着実に点数を伸ばすことができます。

スコアを活用して英語力をアップする方法

教材に書かれているスコアは英語力アップの鍵!

TOEICの教材には、「600点を突破する」、「730点を目指す」など、目標スコアが書かれているものが多数あります。教材名に入っているスコアは、目標だけでなくその教材のレベルも示しているので、この数字をうまく活用して勉強すると、TOEICでの得点力アップに繋がります。

基礎から丁寧に英語を勉強したい場合は、500点~600点突破向けの教材がオススメです。まずは400点を目指す人も、この点数向けの教材を選ぶと基礎を学びながらレベルアップができます。

既に600点以上を取得している人は、次は730点を目指しましょう。600点を取れる英語力があれば、単語や文法の教材は800点越えを目標にしているものを選んでも大丈夫です。問題集は700点あたりを目標にしているものから挑戦するのがオススメですが、中には簡単すぎるものや難易度の高いものもあるので、書店で中身を見て何問か解いてみて、「少し難しい」と思うものを選んで勉強するとレベルアップができます。

730点~860点を持っている英語上級者の場合は、900点~満点を目標にしている教材で勉強すると、難易度としてはちょうど良いでしょう。特に、単語や文法は満点向けのもので勉強すると、あまり使われない表現や難易度の高い語彙を身に付けることができます。上級者は、難易度の高い文法や使用頻度の低い語彙などで弱点が見られるので、目標点数の高い教材で勉強してそれらの苦手を克服しましょう。

ただし、高得点を持っていてもしばらくTOEICを受けていない人は、基礎の知識を忘れているかもしれないので、文法や単語などの基礎学習から始めましょう。

スコアを活用し、更なるレベルアップを目指しましょう!

結果通知に記載されているスコアは、英語力を測るものさしです。自分の英語力が今どのレベルなのか、結果通知をよく読んで把握することが次の良い結果に繋がります。合計スコアだけでなく、リスニングとリーディングそれぞれのスコアからも弱点を知ることができます。それらの情報を活用し、今後の目標設定に役立てましょう。

また、スコアは英語レベルを示すものなので、目標スコアによって教材を上手に使い分ける必要があります。自分の現在の実力と目標に合った教材を活用し、英語力の向上を目指しましょう。

スコアが示すレベルを知り、目標のスコアに向かって勉強することで、TOEICの得点力をどんどんアップさせていきましょう!

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