TOEICが、なぜ企業・大学・学校等で、広く個人の英語レベルをチェックするためのスタンダートと化しているかというと、これが、その人の英語力を示す指標として、現時点で、もっとも信頼できるものだからに他なりません。
TOEICが、日本国内にとどまらず、ESLスクールや大学において、グローバルレベルでも実施されているのが、その証なのです。
筆者を例に挙げますと、留学前に受験した時には、700点台中盤でしたが、留学して2、3か月後には860点位に伸び、1年の留学の後、日本帰国時には、965点に達しました。
特に、TOEICだけに絞って英語を学習していたわけではありませんが、総合的な英語力の向上と共に、スコアも自然に伸長したのです。従って、英語力が向上すれば、TOEICのスコアも上昇することは、身を以て経験済です(^^)。
というわけで、ご自身の英語レベルをチェックしてみたい方には、TOEIC受験をおススメします!
TOEICスコアが英語レベルに比例していないこともある!?
英語を流暢に喋れる人の方が、喋れない人よりも、TOEICのスコアが下というケースは、あるでしょうか?これは、可能性としてあり得ます。かといって、その流暢に喋れる人の英語力が、必ずしも、そこまで喋れない人よりも英語力が上であると結論付けるのは、早計なのです。
この点を誤解なさっている方が結構いらっしゃるようです(^^;)。つまり、英語がペラペラ話せる人のほうが、そうでない人よりもTOEICのスコアが下であるからといって、TOEICの指標が、当てにならないということの証にはならないということです。
例えば、通訳者の英語力はおおむね高いので、イコールTOEICのスコアも満点に近いだろうと解釈しがちですが、英語力がその通訳者と同レベルあるいはさらに高い人が聴いていると、実際には訳抜けがあったり、誤訳していたり、意味を理解していなかったりすることに気づくことがあります。
にもかかわらず、TOEICスコアが満点レベルの人が、通訳者程喋れないと、それを見た人が、
「ほら、だからTOEICって、全然当てにならないんだよね~」と、勝手に結論付けてしまうわけです。
通訳者は、勿論、リスニング力とスピーキング力が、ハイレベルでないと務まりませんが、その人がTOEICにおいて満点レベルの英語力かどうかは、また別問題なのです。ご存じの通り、ひとつの英単語には、さまざまな語意があることが多いです。辞書にある語意の1番目ではなく、もっと下位にある意味まで知っていないと、高度な会話や文書で誤訳する可能性が高くなります。また、「こんな単語見たこと無いよね~」レベルの稀な単語を知っている語彙力もないと、そうした単語をスピーカーが使った時に、当然判りません。
こうした能力の高い人が、TOEICでのスコアが満点レベルの人なんです。これは、翻訳にも当てはまり、日本語訳を読んでいて、なんだか訳がおかしいと思った時、「あ、ここは、あの単語を誤訳したからオカシなことになっている」と気づくことがあります。
もうひとつ例を挙げますと、帰国子女で、傍から見れば英語がペラペラでも、作成した文書を読むと、文法がめちゃくちゃだったり、ビジネス文書なのに、「じゃあね~ヨロシクだよーん♪」みたいなノリだったりするケースもあります(^^;)。
こうした人たちは、英語をよく知らない人からすれば、TOEICが満点レベルに見えるかもしれませんが、実際には、そこまでペラペラじゃない人よりも、スコアが下の可能性は大いにあるのです。従って、結論としては、英語を流暢に話せる人やリスニング力の高い人が、必ずしもTOEICのスコアが満点レベルとは限りませんが、だからといって、TOEICのスコアは、その人の英語力を示す指標として信頼できない、という理論は成立しませんし、筆者の実体験からすれば、むしろ信頼できる、ということです。
ネイティブでも、語彙が少なかったり、文法がメチャクチャだったりする人はいますよね。TOEICによるハイスコアの基準とは、『知性の高いネイティブに近いかどうか』ということなのです。
TOEIC受験の前に、レベルチェックしてみよう!
純粋に現時点の自身の英語レベルを知りたい!という方は、あくまでも公正を期するために、なんの予行演習もなしにTOEICを受験したいかもしれません。
それはそれで、グッド・アイディアです……が!せっかくなら、TOEIC独自の試験スタイルに慣れておくために、事前にレベルチェックしてみてはいかがでしょうか?というわけで、レベルチェックのための方法を、おススメ順にご紹介してまいりますね!
TOEIC模擬問題集を入手する
やっぱり、コレがイチ押しです!入手するなら、TOEICの開発・制作元であるETSから出版されている公式問題集を選びましょう。
その理由は、下記の通りです。
- 難易度が本試験と同レベル
- 問題のクオリティが保たれているため、信頼できる
- 実力をつけることができる
- テストと同じ問題数を丸ごと体験できるので、本番のシミュレーションになる
- 正答数によって、レベルがチェックできる
- 時間配分・ペース・コツが掴める
問題集は、書店やAmazon等で、ゲットできます。最新版のものから選ぶのがおススメです。本試験前に自分のレベルを知るには、これがイチバン!
TOEIC公式問題集には、正答数に応じたスコアの目安表が掲載されているので、これを参照すれば、自分が大体どのラインにいるかが予測できます。
「問題集は解きたいけど、なんとか出費を抑えたい!」という方のためには、別記事で方法をご紹介しておりますので、そちらをご参照くださいね。
TOEICスコアの目安
TOEICの配点は、1問につき何点、という単純明快な方法ではありません。ETSが開発した、イクエイティングという独自のシステムによって、特定の英語力の持ち主は何度受験しても一定のスコアとなるように調整されているのです。受験者の解答を抽出したり、各問題の正答率をチェックしたり、過去の問題に変更を加えたものを出題したりといった事を行なって、複雑な算出方法をとっています。従って、正答数から単純にスコアを割り出すことは出来ません。
実際、矛盾するように思えますが、たとえ不正解があったとしても、満点の990点を獲得する可能性もあります。また、なにも勉強をしていない人が、ランダムにマークして、確率的に1/4正解だったとしても、スコアは、250点とはならず、もっと下になるのです。つまり、まぐれで実力以上の得点も取れないようになっているのです。スコア基準の不変性を確保するように、研究と工夫がなされているんですね。
とはいえ、200問で満点が990点なわけですから、1問正解につき大体4.95点という、おおよその目安はつけられますね。そこから大体50点~100点のブレが生じると思っていればいいでしょう。
無料のレベルチェックサイト
こちらのサイトでは、TOEIC本番スタイルの模擬テストを5回も受験できるので、各テストの正答数によって、正確ではなくても、大体の自分のレベルを把握できるでしょう。
★The TOEIC® Listening and Reading test
こちらは、パート1~パート7までの問題形式毎の問題数が、正規のTOEICテストとは異なるため、レベルを正確に割り出すことは出来ないものの、正答数からおおよその位置は予測できるでしょう。
英語学習で有名なアルクでも、実力判断のための、15分間のTOEIC形式ミニ模試を提供しています。
こちらでは、弱点も診断できるのがポイントですね。
こちらは、TOEICのビジネス英語などの出現頻度をベースにした語彙力のみを診断するテストです。
470点~950点までがレベル分けされており、ターゲットとなるスコア別に25問の単語穴埋め問題が出題されます。
3)有料のレベルチェックサイト
こちらは、オンラインスタイルのTOEIC模試で、「TOEICのスコアが実際にアップした!」と、ネットでの評判も上々。有料なものでは、公式問題集に次いでおススメのレベルチェック方法です。
なんといっても、オンラインで手軽に受講できるところが、ポイント高し!しかも、1ヶ月2千円で、受験し放題なのが、嬉しいですね。
これをガンガン受験すれば、レベルチェックのみならず、実力もメキメキつけることができて、一石二鳥です♪ただし、こちらは、リスニングと短文読解に重点を置いているので、他のエリアに関しては、別サイトで補ったほうがいいですね。
こちらのTOEIC模試の特長は下記の通りです。
- TOEICテストのシミュレーションが体験できる。
- 30分間でレベルが測定できる。
- 即座にTOEICスコアに換算できる。
- 3000の問題数から受験毎にランダム配信される。
- 一ヶ月間2千円(2017年7月現在)で何度でも繰返し受験可能。
- 英語力および本試験スコアの向上が見込める。
- オンラインでいつでもどこでも手軽に受験できる。
レベルチェックだけでは勿体ない!模擬テストを最大限に活かそう!
上記のようなレベルチェックのためのテストを、レベルチェックだけに使うのは、実に勿体ない話です!
せっかく模擬テストを受験するのでしたら、実力アップのためにも最大限に活用しましょう(^^)。
実力アップのためには、効果的な学習方法をすることがカギです。その学習法とは、下記の通りです。
- 模擬試験なら、実際の試験通り、それ以外なら、指定された時間通り、キチンと時間を計って、模擬テストを受験します。
(この時、ペース配分や、セクション毎の説明アナウンス中に写真や選択肢に目を通す習性を身につけておくのもいいですが、あくまでも実力アップとレベルチェックが主要目的ですので、こちらにフォーカスしましょう)
- 受験後、不正解だった問題 、判らない単語は、解説・辞書・参考書等を参照して、必ず復習して、モノにします。←ココ重要!
- 不正解だった問題と単語は、ワードにコピペあるいはノートに書きとるなどして、全てまとめておきます。
- そして、忘れた頃に、不正解だった問題をまとめたものを、正解するまで解きます。←ココ重要!
- ~④を日々地道に続けていきます。
地味なプロセスですが、これで、どんどんスコアを伸ばすことが可能です(^^)!
模試や問題集は、やりっぱなしでは、レベルチェックにしかならず、実力アップに繋げることは出来ません!
不正解だった問題、判らない単語は復習して、咀嚼していくことで、実力が格段に上がっていくのです。
このプロセスをないがしろにしては、スコアの伸長は期待できませんので、復習はしっかり行ってくださいね!
まとめ
- TOEICは、個人の英語レベル力を測るシステムとしては、現在流通するなかでは、もっとも高い信頼性がある。
なぜなら、ETSでは、特定の英語力の持ち主は、一定のスコアが出るように、独自に開発したシステム(イクエイティング)を駆使しているからである。また、英語力が無い人が全てランダムに解答したとしても、ハイスコアがでないようにも調整がなされている。
- TOEICの配点は、単純に1問につき、何点というシステムではないため、正答数からスコアを割り出すことは出来ない。
- レベルチェックのためのベストな方法
- TOEIC模擬問題集を受験する(公式問題集がベスト)
レベルチェックのみならず、沢山の恩恵が見込まれる。
- 無料のレベルチェックサイト
★The TOEIC® Listening and Reading test
③ 有料のレベルチェックサイト
オンラインスタイルのTOEIC模試で、有料版では、公式問題集に次いでおススメ。
- 模擬テストやオンラインテストは、レベルチェックだけではなく、実力アップ・本番のシミュレーション・効果的な得点アップのための習性を身につけるために活用するのがベスト!
いかがでしょうか?
英語レベルを公正にチェックしたい方には、やっぱりTOEICがイチバン信頼できるシステムなんですね。配点方法などにも、独自に開発されたシステムが用いられていて、一定のクオリティを保つようになっているのですから、世界的に信頼されているのも、納得がいきますよね。
TOEICの優れた点は、英語力の向上と共に、スコアもそれを反映して伸長するところ。これが、英語学習のためのモチベーションにも繋がるのです。また、ご紹介したように、現在では、TOEICを受験する前に、自身のTOEICのレベルを予測できるテストまでが開発されています。こちらも、賢く活用すれば、本試験のスコアを伸ばす強力な助っ人になるでしょう。
TOEICにしても、TOEICのためのレベルチェックサイトにしても、重要なのは、それらを、レベルチェックだけでなく、実力アップのため、英語力向上のために活かすことです。それが、最終的には、就職活動やビジネス、留学にも有利な武器となるのです。本記事を、TOEICのスコア向上、および英語力向上に是非お役立て下さいね(^^)!