TOEIC初心者にオススメの教材選びと勉強方法

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就職や転職、進学などのためにTOEICを受けたいと思いながら、いったい何から手を付ければ良いのか分からない人も多いのではないでしょうか。

スコアは何点から目指すべきなのか、何の勉強から始めれば良いのか、どんな教材を使ったら良いのか……。そんな様々な疑問を解消して、初めてのTOEICに挑戦してみませんか?

TOEICってどんな試験?

TOEICとは、“The Test of English for International Communication”の略で、その名の通り、国際コミュニケーションのための英語力をはかる試験です。

TOEICテストの中には、“Listening & Reading Test”、“Speaking & Writing Test”、“Speaking Test”、“Writing Test”がありますが、この記事では特に需要が高い“Listening & Reading Test”について解説します。

何点から目指すべき?

TOEICの満点は990点で、合否ではなく得点で英語力を測定します。一般的には、およそ500点が英検(実用英語技能検定)2級、730点で準1級、860点以上が1級に相当すると言われています。過去に英検を受験したことがある人は、この比較を参考にして目標点数を決めるのも良いでしょう。しかし、英検とTOEICは試験の内容が全く異なるので、あくまでも参考と考えておきましょう。

英検を受験したことがない人や、英検を受けたことはあるけれど2級以上は持っていない人は、まず400点を目指しましょう。私がまだTOEICを受けたことがなかった大学1年生のとき、英語の教授が「TOEICを初めて受験して400点以上を取れれば上々」と言っていましたが、実際に受験してまさにその通りだと実感しました。

まず、リスニングもリーディングも英語の内容がほぼビジネスに寄っているので、ビジネス英語の単語や表現に慣れておかないといけません。また、リスニングの発音がアメリカ英語だけではないのも、初心者を苦しませる要因の一つです。アメリカ英語に耳が慣れている日本人にとって、イギリス英語やオーストラリア英語は聞き慣れるまでに時間がかかるので、ある程度時間をかけて勉強しないと、言われていることを正しく理解するのは困難です。

また、問題数の多さも初心者が点数を取りづらい原因になります。TOEICはリスニングセクション100問、リーディングセクション100問の合計200問で構成されています。リスニングセクション45分、リーディングセクション75分の合計120分間、集中力を維持することも初心者には難しいですし、しかも初心者の多くはリーディング100問を75分で全て解き終わることができません。

TOEICを初めて受ける人は、もともと英語が得意な人でないと、パート7の長文は最初の数問しか手を付けられず、残り数分でとにかく最後まで塗りつぶして乗り切ることになってしまうことが多いのです。

英語はそれほど得意ではないけれど、これからTOEICを通して英語を学んでいきたいと考えている人は、まず400点を目標に設定しましょう。そして、その点数を超えられるように、適切な勉強と準備をしていきましょう。

もちろん、英語が得意な人はもっと高い点数を目標にしてもかまいません。ただ、その場合は基礎的な学習も疎かにしないよう気を付けましょう。「英語が得意だ」という意識は、時として油断にも繋がります。TOEICには基礎的な知識を問う問題も出題されるので、それらの問題で確実に点数を取ることが、高得点に繋がります。

まずは何を勉強するべき?どんな参考書を選べば良い?

TOEICと言っても、覚えておくべき文法は中学や高校で学んだものとほとんど同じです。なので、文法についてはまず学校で習ったものをしっかり復習し、基礎的な文法をしっかり理解するところから始めましょう。例えば、be動詞と一般動詞、文型、時制など、理解しているつもりでも忘れていることや間違えて覚えているものなどがあるので、基礎的な文法から復習できる参考書を選ぶと良いでしょう。

まずは、「TOEIC初心者向け」、「はじめてのTOEIC」などの言葉が書いてある教材を使って、TOEICについて学んでみるところから始めましょう。『TOEIC(R)テスト中学英文法で600点!』(著:小石裕子)のような中学文法を復習できる教材もあるので、こうした教材を使うことで文法の理解を深めることができます。

また、単語の知識を付けることも欠かせません。リーディングセクションでは単語力を問う問題も多く出題されますし、もちろんリスニングセクションで点数を取るには多く単語を知っているほうが有利です。

単語テキストは点数別になっているものも多いので、目標の点数に近いテキストを選ぶのがオススメです。ほとんどの単語テキストは、何度もTOEICを受験した著者の分析のもと、出題されやすい単語を厳選して紹介しているので、自分が「これで勉強したい!」と思えるものを選ぶと良いでしょう。

リスニングについては、解き方や着目点などを詳しく解説してくれている参考書を選ぶと良いでしょう。また、シャドーイング(音声を聞いてすぐに聞こえた英語を音読すること)やディクテーション(聞き取った英語を書き取ること)の練習ができるようになっている参考書は特にオススメです。

例えば、『日本一やさしい初めてのシャドーイング』(著:三宅滋・太田恵子)は、シャドーイングに慣れていない人が勉強を始めやすい教材ですが、他にもいろいろな良い教材があるので、書店で自分に合ったものを探して購入してみてください。

先にも述べましたが、TOEICのリスニングで使われるのはアメリカ英語だけではないので、他の国の英語に耳を慣らす練習をしておくと、実際に練習問題に挑戦したときに困惑したり自信を失って途中で挫折したりすることを防ぐことができます。

また、リーディングセクションはパート5とパート6の勉強と、パート7の勉強を分けて行うのがオススメです。パート5とパート6は文章の穴埋め問題で、パート7は長文読解なので、パート5とパート6に時間をかけすぎると、パート7のリーディングを解く時間がなくなります。

パート5とパート6は文法と単語を理解できていれば解けるので、文法や単語の学習を一通り終えてから問題集に臨みましょう。問題集では、間違えた問題や勘で解いて偶然正解できた問題の解説をしっかり読んで、文法や単語の重要事項をノートやメモ帳にしっかり書き残しておきましょう。下線を引くのも良いのですが、それだけだと「覚えたつもり」になってしまうおそれがあるので、下線を引くだけでなく、理解したこと、新たに分かったことは書き記す習慣を付けましょう。

そして、パート5とパート6の練習問題は時間制限を設けて解くようにすると、短時間で答えを見つける練習にもなるのでぜひ実践してみてください。最初は長い制限時間を設定して、次第に短くしていくと良いでしょう。

一方パート7は54問もある長文読解問題なので、こちらも時間制限は気にする必要がありますが、まずは焦らず、効率的に解答を見つける練習をしましょう。分からない単語があっても焦る必要はありません。分かる単語から文章の内容を理解し、問題の答えが書かれている部分を見つけられれば解ける問題ばかりです。答えを素早く見つけるコツが書かれた参考書も多いので、書店で自分に合ったものを探してみてください。

TOEIC初心者は、効率を考えて「○週間で完了」というような参考書をつい選んでしまいがちです。しかし、こうした参考書はTOEIC本番が近づいてきたときに仕上げとして使うべきで、最初に手を出すべきではありません。まずは、自分の英語力を底上げしてくれる参考書を選びましょう。

勉強はいつから始めるべき?

TOEICの勉強は、3ヶ月ほど前から始めると良いでしょう。最初の1ヶ月は文法と単語の学習を中心に、ディクテーションやシャドーイングでリスニング力を高める勉強も進めていきます。

2ヶ月前からは練習問題に取り組んで、1か月間で覚えた文法や単語をどこまで理解できているか自分で確認してみましょう。例えばリーディングの勉強の場合は、練習問題を解くことで自分の弱点が見えてくるので、解説を理解できるまでしっかり読んだり、分からなかった問題だけ何度も解いたりして、苦手を1ヶ月かけて克服します。

同時に、リスニングの勉強はシャドーイングやディクテーションを続けながら、練習問題にも取り組みましょう。練習問題を解き終わったら、その練習問題を使ってシャドーイングやディクテーションを行うことで、英語を聞き取る力が向上します。

そして本番の1ヶ月前からは、主に問題集や模試を解いてこれまでに得た知識をさらに確固たるものにしながら、素早く解答を見つける練習もしていきます。リーディングでは、目標点と1問あたりの目標解答時間が書かれているテキストもあるので、それらを参考にして少しずつ解答にかける時間を短くしていきましょう。

もちろん、分からなかった問題や間違えた問題はしっかり復習することが大切です。同じ問題でも良いので何度も繰り返し解いて、英文を読んですぐに内容を理解する練習をしましょう。また、『TOEIC TEST 新形式模試 はじめての挑戦』(著:神崎正哉・Daniel Warriner)など、初めてTOEICを受ける人に向けた模試もあるので、1冊購入して予行練習をしておくと、本番での緊張を和らげることができます。

リスニングも、ラスト1ヶ月は問題集で勉強の総仕上げをします。リスニングでは音声を聞きながら解答を見つけることが必要になるので、問題を先読みして答えを見つけやすくする練習をしておくと良いでしょう。

しかし、立て続けに問題を解いていると、そのうち先読みする余裕がなくなることもあります。そうなることも考慮して、音声をしっかり聞いて内容を理解して問題を解く練習もしておくと良いでしょう。

中には、どうしても先読みして音声を聞くのが苦手な人や、逆に先読みしておかないと音声のどこを注意して聞いたら良いのか分からないという人もいると思うので、自分の解きやすいと思う方法だけを集中的に練習してもかまいません。

本番の2~3週間前になったら、必要に応じて「○週間で完成」、「○日間で完成」というような問題集に挑戦しても良いでしょう。また、TOEIC公式問題集もあるので、それを使えば、より本番に近い雰囲気でTOEICの予行練習ができます。

このように、3ヶ月前からの3段階の学習で英語力を底上げすることで、TOEICの解答力を付けていくことができます。しかし、これはあくまでも勉強方法の一例なので、もっと早めに勉強を始めてももちろんかまいません。「最初から問題集や模試に手を出さない」、「まずはTOEICを解くための英語力を身に付ける」ということを、しっかりと心掛けておきましょう。

どんな風に勉強すれば挫折を防げる?

TOEICを初めて受ける人は、試験本番まで勉強を続けられず、途中で挫折してしまいがちです。勉強を始めてしばらくすると、疲れていたり忙しかったりという理由で、勉強を先延ばしにするうちに挫折してしまいます。せっかく早めに勉強を始めても、英語を毎日勉強する習慣を付けなければ、単語も文法も覚えられませんし、英語に耳を慣らすこともできません。毎日勉強を続けるには、「勉強しよう」と思える環境を自分で作ることが必要です。

そこでオススメしたいのが、「全部出しっぱなし勉強」という方法です。どういう方法かと言うと、勉強を終えてもテキストやノート、筆記用具や辞書を机の上に出しっぱなしにしておくのです。その際、テキストやノートは閉じないでそのままにしておきましょう。

そうすることで、勉強机に置かれている教材などが目に入ると「勉強しなくては」という気持ちになりますし、座ったらすぐに勉強を始めることができます。また、ノートなどを開きっぱなしにしておくことで、前にどこまで勉強したのかをすぐに把握することができます。テキストによっては開きっぱなしにしておくことが難しいものもあるので、そういった場合はしおりを使いましょう。

また、一日のうちに絶対勉強する時間を決めておくのも良いでしょう。例えば、平日は朝の5時半~7時、夜の21時~22時は必ず勉強をするという風に決めておくと、少し時間がずれることはあっても、毎日勉強を続ける習慣を付けることができます。

また、通勤や通学の時間も有効に使いましょう。満員電車でテキストを開けなくても、音声を聞くことはできます。テキストに付いている音声CDを音楽プレイヤーに入れて、外出の際はいつも聞くようにすると、単語の意味と正しい発音を覚えることができます。

このように日々勉強を積み重ねることで、毎日の勉強を習慣づけましょう。

計画的に勉強を進めて、初めてのTOEICに臨みましょう!

初めてTOEICを受験するときは、誰しも「なんだか難しそう」、「どうやって勉強したら良いのか分からない」という不安を持っているものです。しかし、本番に向けてしっかり勉強を続ければ、TOEICで点数を取ることは決して難しくありません。怖がらず、しかし油断することなく、初めてのTOEICに挑戦しましょう!

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