日本人は、TOEICに限らず、一般的に、英語のリスニングを不得手とする傾向にあります。その理由は、日本の学校教育が、文法に力を注ぐ一方で、リスニング力向上の方には、さほど重点を置いていないからです。また、島国という地理的要因もあって、なかなかネイティブスピーカーと触れ合う機会もないですよね。
さらには、英語と日本語の発声法が根本的に異なっているというのも大きな原因のひとつです。英語は強弱、日本語は、高低でアクセントをつけているのです。これが、英語の聞き取りにくさ、また日本人の英語が聞き取られにくい、ということの要因なのです。なので、あなたが、リスニングに苦手意識をもっていても、なんの不思議もありません。
かといって、それに甘んじたままでは、TOEICのリスニングのスコアは、伸び悩むばかり(><)。そこで、この記事では、そんなリスニング苦手さんでも、確実にスコアを上げるための方法をご紹介いたします!
実力別TOEICリスニング対策とは?
では、具体的にTOEICのリスニングを強化する方法をご紹介いたしますが、ある程度の実力がある方(目安:750点~)と、それ以外の方では、対策が異なりますので、ここでは、実力別に分けてご説明いたしますね。
すでにある程度のリスニング力のある方
すでにリスニング力のある方は、もう実践なさっていることでしょうが、すべきことはいたってシンプルです。
TOEICの過去問題集と模擬試験集をできるだけ数多くこなしていく。
(注:実際の試験のように、かっきりと時間通りに実践します←ここポイント!)
- 不正解だったところの解説を読み、聞き取れなかった単語を調べて自分でも発音して、身につける。
- ある程度の時間が経過したら、不正解のところだけを、正解するまで解く。
これだけです。
あとは、リスニングでひっかかってしまうのは、二つ原因がありまして、
- 語彙が不足している
- 単語を知っていても、その単語の発音が聞き取れない
この二つです。
TOEICで頻出する単語は、TOEICの過去問題集と模擬試験集を解いていくことで、語彙を増やしてくわけですが、この時、判らない単語は、必ず辞書で調べて、自分でも発音します。←ここポイント!
その単語のスペルをたとえ知っていたとしても、発音が判らないと、リスニング問題でその単語が出た時に、それが原因で躓く可能性があります。
なので、判らなかった単語・聞き取れなかった単語専用のノートを作り、そこに単語の意味と、発音記号も書いてまとめておくことです。
このようにして、TOEICのための語彙を増やしていくことで、上記の問題をクリアにします。
これは、とても単純な作業ですが、TOEIC独特のスタイルは、『慣れ』が肝心ですので、数をこなすごとに、メキメキ正答率も上がっていきます(^^)。
リスニング力を基礎からつけていく必要がある方
では、次にリスニング力を基礎からつけていく必要がある方のためのメソッドをご説明いたしますね。ここでひとつご注意です。巷で人気にある、「ただ聴くだけでモノにする」というメソッドは、ハッキリ言って、おススメしません(><)!
幼少期ならともかく、大人になってから、聞くだけで話せるようになる、ということはまずありませんので、そのメソッドは、忘れてくださいね。また、現在では、TOEICの需要を反映して、TOEIC専門の予備校のようなところもあるようですが、それが、もし裏ワザ的なテクニックを指導するところであるなら、これも、おススメしません!
TOEICのスコアは、実力をつけて、正々堂々と、高得点をマークしましょう!では、リスニング力を養うために、何をすべきかというと、『ディクテーション』。これに限ります。これは、テニスが上手くなりたければ、テニスを練習する、サッカーが上手くなりたければ、サッカーを練習する、これと同じくらい、正攻法であり、確実な方法なのです。とはいえ、ディクテーションにも、きちんとしたやり方とメディアの選び方がありますので、下記に詳述いたしますね。
ベストなディクテーションの方法とは?
- 内容をリスニングし、ノートに書きとっていく。判らないところは、カタカナでもいいので、書きとる。
- ひととおり聞き終わったところで、答え合わせをする。
- 判らない単語・間違った単語は、調べて、自分でも発音してみる。
- スクリプトを見ながら、自分も一緒に読む。
- スクリプトを見ずに、シャドウイング(少し遅れて自分も読む)する。
これが、リスニングにイチバン効果的な方法です!スピードが速すぎて聞き取れない時は、ICレコーダーなどに録音し、いったんスピードを下げてから、徐々に上げていって、ナチュラルスピードに戻すと耳が慣れてきます。
また、メディアの選択も、賢明にする必要があります。
日本人の教材用に作成されたものは、
- 内容が退屈なので、飽きてきて、続かない
- 普段ネイティブが使わない、おかしな表現・英語が混じっている
- 日本人用に、敢えてスピードをゆっくりにしている
このようなデメリットがある可能性があります。
結論として、おススメのメディアは下記になります。
1.映画
映画は、もともとエンターテインメント用に制作されているので、面白い、飽きない、というのがイチバンのポイント。また、ネイティブ用に作られているので、ナチュラルスピードでありながら、しっかりと聞き取り易く発音されているというのも、重要ポイントです。あとは、ご自分がディクテーションをしたいと思う映画で、スクリプト(台本)が販売されているものを選びます(書店やアマゾンで購入可能)。
また、映画のジャンルは、お役立ち度を考慮して、ファンタジー物、ホラー物、SF物などは、除外しましょう。せっかく聞き取れても、普段使わない表現や、TOEICに出る可能性が低い単語を覚えても、得点に結びつきにくいからです。
これは、あくまでもTOEICのリスニング力向上という目的なので、イギリス英語、スコットランド英語、オーストラリア英語など、訛りのある英語が使用されたものも、除外してくださいね。
2.TV番組
TV番組は、映画に次いでおススメのメディアです。こちらも、エンターテインメント性が高く、飽きない、そして日常会話がふんだんに使われているので、お役立ち度も高めです。
TOEICでの高得点を狙っているわけですから、オフィス、ショップ、ホテル、面接、旅行等、さまざまな場面が出てくるものが効果的です。おススメなのは、勉強になるだけでなく、番組自体が、とっても楽しめる、アメリカで超人気コメディだった、フレンズです。
3.インタビュー
これは、日本人のリスニング用に編集されたもので、映画俳優、TV俳優、政治家、著名人などのインタビューや演説を収録したものです。厳密にいうと、様々な場面における日常会話ではないので、映画とTV番組に比較すると、お役立ち度は、低めですが、リスニング力向上には役立ちます。
また、頭脳明晰な方の英語を聞くということは、その方の脳内を垣間見る経験にもなりますし、文章の構築方法や語彙など、参考になる点も多いです。なので、選択する時には、IQの高そうな人物のインタビューをチョイスするのがコツです(^^)。こちらも、書店やアマゾンで購入可能です。
4.ニュース
ニュースのディクテーションは、政治・経済・国際・社会など時事系の語彙に強くなるのが、メリットです。こうした分野にも強くなると、英語の総合力の伸長が、期待できますね。こちらは、2カ国語放送のニュースをディクテーションして、英字新聞で答え合わせをするというのも一つの方法ですし、ニュースを素材とした教材を購入するのもいいでしょう。
5.ラジオ英会話
こちらは、ディクテーションというよりは、その成果を確認する意味で、聞くといいですね。
このプログラムでの会話が、スンナリ聞き取れるようなら、リスニングのレベルがアップしているという指標になります。たった15分間でも、継続は力なりで、語彙やフレーズを蓄積していくのにも、もってこいです。
TOEICリスニングテストのコツとは?
TOEICのリスニングは、なんといっても集中力が命です!一瞬でも、「今日の夜ゴハン何にしようかな~」なんて、考えてたら、その一問を落とすハメになります(苦笑)。
この集中力を養うには、過去問題集や模擬試験を、時間をキッチリ計って行なうのがベストです。これを回数重ねることで、集中するクセを身につけましょう。
TOEICリスニングテスト・マル秘テクニック公開!
TOEICのテストを受験していくうちに、リスニングでは、二つのテクニックを身につけました。この二つを習得すれば、さらに高得点が期待できます!
1.捨て駒作戦
TOEICのリスニングテストでは、集中力が命です、と申し上げました。これについて、さらに掘り下げてお話ししますね。リスニングテストの最中、なにか判らない単語が出て来て、「あれ、今のどういう意味だろう?」と、その単語が判らないために、正解にたどりつけない時があります。
こんなケースでは、ずっと考えていると、次も落としてしまう可能性がありますので、その問題は、もう「捨て駒」にして、どれかをマークしたら、さっさと、次の問題に意識を切り替えることです。これをやらないと、集中力を欠き、ドミノ倒しのように、次々とケアレスミスを重ねていく可能性があります。
判らない問題を捨て駒にすれば、その後、次の問題を解いている最中に答えが閃くケースもあるので、その時に、戻って正解をマークしましょう。
2.指折り作戦
TOEICリスニングテストについては、正答率を上げるための、優れたテクニックを発案いたしました。これを、みなさんにご紹介いたしますね。TOEICのリスニングにおける難点は、『メモ』が一切取れないことです。
これは、答えがどれなのか、100%自信がある時は、いいんです。問題は、答えがあいまいな時。
そういう場合には、選択肢をすべて聞き終えてからマークしたいのですが、メモを取れないということは、選択肢の中でどれがもっとも正解っぽいのか、すべて聞き終えた時点では、記憶が定かでないことがあります。
もしメモがとれるなら、「現時点では、仮でB。Dまで全て聞いてみたら、他の選択肢は明らかにナシなので、消去法でやっぱりB」というのを、問題用紙に印をつけておくことができるんですが、メモとりが禁止されているので、それができません!記憶だけを頼りにしないといけないのです(><)。
そこで、この難点をクリアにするために考案したテクニックを、お教えします!
それは、数を数えるように、『指を折る』ことです。
前もって、たとえば、左手の親指をA、人差し指をB、という具合にABCDをどの指にするか決めておきます。(左利きの方は、右手で行ないます)そして、リスニング問題の時、答えがちょっと曖昧な時には、その曖昧な選択肢の指、例えばBなら人差し指を折っておきます。全ての選択肢を聞いてみて、他に正解が無ければ、消去法で、折っている指をみて、人差し指ならB、ということで、Bにマークし、他に正解が出てきたら、それをマークする、という仕組みです。
ただし、不審に思われると困るので、やる時は、バレないように、コッソリやってくださいね(笑)。
まとめ
TOEIC実力別リスニング攻略法
【実力がある方】
- 過去問題集と模擬試験集をコツコツ解いていく。
- 判らない単語・不正解な単語を調べて、ノートにまとめ、意味と発音を書いておく。
- 間違ったところを、正解するまで解く。
【実力をつける必要がある方】
・ディクテーションをする
- 内容をリスニングし、ノートに書きとっていく。判らないところは、カタカナでもいいので、書きとる。
- ひととおり聞き終わったところで、答え合わせをする。
- 判らない単語・間違った単語は、調べて、自分でも発音してみる。
- スクリプトを見ながら、自分も一緒に読む。
- スクリプトを見ずに、シャドウイング(少し遅れて自分も読む)する。
・ディクテーションにおススメのメディア
- 映画
- TV番組
- インタビュー
- ニュース
- ラジオ英会話
【TOEICリスニングテスト・マル秘テクニック2点】
- ・捨て駒作戦
- ・指折り作戦
いかがでしょうか?
この記事の通りに実践していけば、TOEICのリスニングでは、確実に高得点をマークできるようになるでしょう。それだけでなく、英語のリスニング力が、全般的にアップします。あとは、実践するか、しないか、それだけの話です。一見単純な作業ですが、このコツコツとした地道な作業が、大きな差を生むのです。是非この記事の内容を実行に移して、高得点をゲットしましょうね!