現在、幼稚園や保育園でも英会話学習が積極的に取り入れられており、小学校では英語学習の必修化が進んでいます。そしてグローバル化対応のために英会話学習に対する考え方が変わってきました。
「将来英語が話せるようになったらいいな」「将来困らないように」「念のため早めにさせておこう」という認識から「英会話はできて当然」という認識のあり方へと変わってきました。
そのため、早期から「わが子には早くから英会話学習に取り組ませておきたい」と願う保護者が急速に増えてきました。
しかし、自宅でできることは何か?語学スクール通うことでできることは何か?なぜ幼児から英会話に触れさせておく必要があるのか?どんな英会話学習に取り組むべきか?などなど様々な不安や焦りが相まって、結局中途半端にしか英語学習ができなかった。という保護者が多くいるのも事実です。
そこで今回は、その不安払拭のために、自宅でできること、英会話スクールでできることなどなど、様々な視点から考えていきたいと思います。
どうして幼児から英会話を取り入れるべきなのか
さて、ここで問題なのが、なぜ幼児から英会話学習をしておく必要があるのかという点です。0歳からの新生児や胎教からもさっそくスタートさせる保護者もいますが、なかなか現実的に積極的に取り入れるのは難しいですよね。ですが、2.3歳ごろからの日本語がほぼ完全になった段階から英会話を始めることはとても大きなメリットになります。
実は幼少期には、大人にはない、「コピーする能力」が備わっているんです。大人は理屈で考えるので「日本語」で考えてから「英語」に変換するという作業をします。ですが、幼児の場合は、聞こえてきた「英語」を「英語」のまま理解して変換し、且つ、聞こえてきた「音」をそのまま同じ「音」として発音するのです。
ネイティブスピーカーの発音やイントネーションをそのままコピーして発話するので、大人になっても能力がなくなることがないのです。
また、この「コピーする能力」は6歳から下降傾向にあります。日本語のボキャブラリーが増え日本語の言語視野が発達するにつれて、英語で考える領域が小さくなっていくためです。理屈で少しずつ考えるようになるわけですね。
ですので、幼児から英会話に触れておくことで、日本人には聞き取れない「音」を正確に聞き取れて理解し、コピーすることが出来るのです。
幼児から始めるべきメリット
幼児から英会話を取り入れるべき大きな理由はわかりましたが、そのほかにもメリットはたくさんあります。
- 好奇心旺盛のため、なんども繰り返して遊ぼう、学ぼうとする
- 「勉強」や「教育」「学習」としての捉え方がないので日常生活の一部として、日本語のようにとらえている
- 英語脳が形成されやすい
- バイリンガル脳:「日本語で考える脳」「英語で考える脳」という2つの領域ができる
- ネイティブスピーカーと同等の発音力が身に付けられる
- コミュニケーション能力が非常に長けている
- 大人になっても、堂々とネイティブスピーカーと対話できる
- 英語が好きになり、すんなりと受け入れられる
- 大人になって本格的に英語を勉強するときに、土台がきちんと作られているので、吸収しやすい
幼児英会話の様々なメリットがあることが分かりますよね。幼少期から始めることで、英語が身近なものになり、好きで楽しいからこそ自発的に繰り返すようになります。その積み重ねのおかげで、大人になっても大きな基盤があるので、海外を渡り歩けるような堂々とした国際人へと育つのです。
幼児から始めることのデメリット
また、幼児から始める事のそのデメリットも合わせて理解しておく必要があります。デメリットをしっかりと制覇・克服して、子供が楽しく英会話を始めてもらえるような環境づくりをしておきましょう。
- 親の「英語を早く使いこなせるようになってほしい」という子供への強要
- 日本語がおろそかになりがちになる
- 日本語と英語がMIXになり、混乱する
などが挙げられます。
「将来○○になってほしい」「将来こんな人間になってほしい」という親の思いが、結果的に子供にとって負担になることがあります。「自ら学びたい」「自ら楽しみたい」という、子供が自発的に取り組みたいと思うようになるのを気長に待ってあげることも、英会話を学ぶ上では必要なことです。子供には無限大の可能性があります。それをつぶしてしまわないよう、子供の知的好奇心を上手に生かしてあげることが、英会話習得への近道になります。
では、自宅で実際に英会話を取り入れるときにできる事と、英会話スクールでできる事って一体どんなことがあるのか考えてみましょう!
自宅で英会話を取り入れる場合
英語に抵抗がなく普段から英会話ができる人なら、日常の中でフルに英語を使って、子供に指示したり英会話を日常の一部としたりすることができます。
ですが、そのような方というのはやはり限られていて、ほとんどの方が、英語に抵抗があり、普段から英会話で会話をするというのはかなり難しいかと思います。
自宅での英会話学習をする場合、まずとっても大切なことは、「子供の興味が持続されるかどうか」なんです。
幼児の特性として、興味のあることは「飽きるまでひたすら繰り返す」という事です。飽きたらやる気をなくして、他の面白そうなものへと視点がシフトします。
その「飽きるまで繰り返す」という知的好奇心を活かして、常に幼児が興味をキープできるようなDVDや歌やダンス、ゲームを充実しておかなければなりません。
幼児英会話のおすすめDVD
自宅で手軽にできる幼児向け英会話教材と言えば、やはりDVDですよね。多くの出版会社や教育番組が独自に制作していますが、どのDVD教材が合うのか、どのような特性があるのか、一緒に見ていきましょう。
アルクのabc DVDボックス
通信教育や資格などの出版としてもとても有名な「アルクのabcDVDボックス」。生後8か月から6歳を対象としており、歌ったり踊ったり、英語というツールを使って遊びながら覚えていくという英語教育です。DVDには日本語字幕がなく、保護者の口コミからは、よく「日本語もままならないし、英語だけというのは難しいのでは?」という意見が見られます。しかし、あえて日本語字幕をなくし、英語オンリーで流すことで「英語耳」が自然と作られていくのです。
また、1話完結型なのでどのパートからでも始められることが特徴で、歌やチャンツなどのリズムに乗れるものがたくさん収録されており、キーワードや英単語などが繰り返して出てくるようになっています。
NHKの英語であそぼプラネット
NHKの教育番組「えいごであそぼ」から生まれた独自のDVDです。幼児の特性を生かしており、歌や踊り、全身を使って遊べるように製作されています。DVDだけでなく、音の出るペンや絵本、ゲーム、アルファベットポスターなどの付属品も充実しており、子供の興味をひくようなアイテムが多数取り揃えられています。
また、年齢別に教材も分けられているので、今の子供のレベルに合わせて教材を購入できるのも大きなメリットです。そして、保護者の方と一緒にDVDを見て歌って踊れるようになっており、子供もさらに英語力が定着するようになっています。
Disney 英語システム
自宅での英会話学習教材として有名な、Disneyの幼児向け英語のDVDセットです。
おなじみのミッキーやミニーなどのディズニーキャラクターが、画面を通して英語を楽しく教えてくれるので、自然にキーセンテンスやキーワード、英単語が覚えられます。子供たちにとっても飽きの来ないようなDVDになっています。
歌や踊りなどもたくさん収録されており、子供が普段から使っているような英会話が使用されているので、イメージがつきやすく、より英語を身近に感じられるような構成になっています。
音の出る絵本やフラッシュカードも多数用意されており、0歳児から楽しめます。
My Best English
アメリカの幼稚園や小学校でも英語補助教材として活用されている、有名なDVDセットです。
フォニックスに大きく力を入れており、子供の発音力やイントネーションを養うために構成されています。英語圏では読み書きの基礎を学ぶために必ず導入しており、このフォニックスを学ぶことで英単語や発音なども簡単に習得することが出来ます。
この教授法を利用して、アルファベットや、カラー、食べ物、動物などの身近な単語を徐々に増やしていきます。
また、英語に抵抗のある保護者のために日本語の手引書が同封されているので、どのようにDVDを流すのかゲームをするのかなどのポイントが乗せられています。親子で一緒に楽しむというのがコンセプトになっています。
ワールドワイドキッズ
こちらも通信教育で有名なベネッセの独自で製作された、幼児向け英語教材です。0歳から6歳の幼児のためのDVDで、すべて英語で収録されています。自然と英語が身に付くようになっており、年齢やレベルに合わせてカリキュラムが組まれています。歌やチャンツなど子供が馴染みやすい音楽が多く取り入れられており、ゲーム、絵本、カードなどの付属品もついています。
また、会員になると有料で英語のイベントにも参加ができるようになっており、家庭で学習した内容をそのまま実際に活用できるコミュニケーションの場が設けられています。ネイティブスピーカーもいるので、生の英会話を学ぶことができ、ほかの友達との情報交換もできるようになっています。
自宅でできるDVD教材ですが、どれも特徴として共通していることは、「子供の特性を生かしている」ことと、「親子で楽しむ」という事です。
ただDVDやCDを流して子供に見させておく、聞かせておくというのでは、効果は半減します。保護者も一緒になって楽しむことで、子供も「お母さん、お父さんが楽しそう。」「一緒にやりたい」、とさらに前向きに取り組んでくれるようになります。
英会話スクールに通う場合
英会話スクールに通って、幼児英会話を習得する場合、どのようなメリットがあってどのようなデメリットがあるのか、そしてデメリットを踏まえて英語の習得を目指すには、などなど様々な視点から考えていきましょう。
語学スクールのメリット
幼児の内から英会話スクールに通うメリットとしては、ネイティブ講師がいるから生の英語を身に付けることができるという事です。
やはり、自宅学習だけでは大量のインプットはできてもそれをアウトプットする場がないので、せっかく覚えた単語やセンテンスも使わず仕舞いになってしまいますよね。
語学スクールならその両方が出来るので、幼児の時から早めに通わせておくという保護者も多いです。
- 耳の感覚が鋭い時期にリスニング力の基礎が養われる
- ネイティブの発音やイントネーションを習得できる
- 異文化体験ができる
- 日本人の、訓練された講師もクッション役として指導にあたるので、子供のレベルや個性に合わせてレッスンしてくれる
- 「外国人」という偏見などの意識を持たなくなる
- 将来、海外留学や海外赴任など、柔軟に対応が出来るようになる
- 英語教育についての情報をいち早くゲットできる
語学スクールのデメリット
語学スクールに通ううえで、デメリットももちろんあります。費用や時間、自宅学習に比べて学習時間がかなり少ないことなどが挙げられます。
- 保護者と離れるため、レッスンに集中できない幼児もいる
- 週に1度のレッスンで40分から50分のみ
- 費用が高い
- 通学時間が掛かってしまう
- 先生との相性が合わない時がある
- 日本人講師の発音が劣っている
などなど、様々なメリットデメリットがあります。語学スクールに通うにしても自宅学習でDVD教材を使うにしても必ずしも良いことだらけではないのです。
大量にインプットできて、時間制限や費用のことを考えるのであれば、自宅学習が断然いいですが、アウトプットをするとき、実際にどのくらい英語が習得できているか把握するには、やはり語学スクールに通って、日々の成長を講師から教えてもらうことです。
いずれにせよ、子供が興味を持ち、知的好奇心をキープし続けられるような幼児英語教育をしていくことが一番大切なんです。
グローバル化が急速に進む中、英語が書ける・読めるだけでは、将来対応はできません。やはりコミュニケーション能力が今後とても大切になってきます。スピーキング能力・リスニング能力を養い、また異文化理解などの教育も合わせて充実させていくことが要となります。
幼児から始める事で、英語に対する抵抗感もないので、スムーズに英語が身に付けられ、将来の可能性も広がっていきます。
デメリットも踏まえてうえで、幼児英会話を早めに初めておくことが大切です。