海外との取引で欠かせない英文メール。外資系に勤めていたり、取引先や顧客が外国企業の場合は英文でのやりとりが必須です。
ではビジネスでメールを使うメリットは何でしょうか。
- 電話やFAXより時間も手間もかからず、素早く送れる
- 相手の都合に合わせる必要がない
- 内容が簡潔に伝わる
相手の不在時には何度もかけ直さなければいけない電話や、着確認が必要なFAXよりも便利で、あなたの仕事時間を短縮するツール、それがメールです。
もし今、英文メールを書く事に時間がかかりすぎているのなら、それはメール本来のメリットが失われ逆に業務を圧迫するタスクに変わっているということです。
他にもやらなければいけない大事なことがたくさんあるはず。ただの連絡手段であるメールを、いかに悩まずに早く書くか、その方法をご紹介します。
1.ビジネスメールを書く上で押さえておくべきポイント
あなたが日本語でメールを受け取った時、読みづらいメールと読みやすいメールの違いはなんでしょうか。正しい日本語で丁寧に書かれたメールがなぜか読みにくい、なんてことが起こるのがビジネスメールです。
読みやすく好感を持たれるメールの特徴としては
- だらだらと文が続くのではなく簡潔で読みやすい
- 何がいいたいか要点がはっきりしている
- 返事がいるかいらないかすぐ分かる
などです。
どんなに流麗な文章を書いても、開いたとき読む気にならない、相手の時間を無駄に奪うメールは嫌われます。英文メールでもそれは同じですし、むしろ核心部分は日本語の場合よりも率直に書く方が好まれます。
失礼にならない書き方にこだわることも大事ですが、基本的にメールはさっと内容がわかるものが良いということを頭に入れておきましょう。
2.Google翻訳は使えない
英語の文章を考える上で、手っ取り早いツールとしてGoogle翻訳があります。Googleで「訳したい日本語+スペース+英語」と入れて検索すると、検索結果にすぐ英語訳が表示され、非常に便利に見えます。
しかしGoogle翻訳の落とし穴は、訳が1つしか出てこないことと、入力した日本語によってはかなり不自然な翻訳になることです。少し長めの英文を日本語に訳してみると分かりますが、日本人が見てもギリギリ意味が通じるかどうかという文が出てくることも珍しくありません。Google翻訳の不自然な訳は、知っている人が見たらすぐに「あ、Google翻訳だな」と分かってしまいます。
メール内の1文や2文ならともかく、全体にこの「翻訳英語」が使われていると読む方は疲れる上、あなたを「自分の力で英語を書こうとしない人」と見なすでしょう。
3.早く書くために本当に使えるツール
英文メールを早く、正確に、悩まず書くには、すでに完成されたテンプレートを引っ張ってきて修正するのが一番です。書店で英文メールの本を見ても、ページのほとんどが場面別の例文やメール見本で埋め尽くされています。
仕事中にいちいち本を開くのは面倒だし、かといって例文が全部覚えられるわけもないので、ここは効率的にネットで公開されているテンプレート集を使いましょう。
3−1.おすすめのテンプレート集
ビジネスのあらゆる場面を想定したテンプレートや例文が網羅されているサイトがこちらです。
アポイント、各種連絡、問い合わせ、クレーム対応など、細かいシチュエーション別の例文とサンプルメールを見ることができます。
同じく使えるのが、ネット上に多言語のオンライン辞書を公開しているweblioのweblioテンプレートです。
こちらではテンプレートのほかに英文メールを書く際の注意点も書かれており、更に翻訳にも対応しています。
weblioも機械が翻訳しているため完璧とは言えませんが、複数の例文を見比べることができるので不自然な文を回避できます。
3−2.テンプレートでメールを作成する際の注意点
自分のニーズに合うテンプレートが見つかれば、ほとんどコピー&ペーストでメール作成できるためかなりの時間短縮になります。しかし時間をかけなさ過ぎるのも危険です。
送信前に以下を必ずチェックしましょう。
- 固有名詞に間違いはないか
- 宛名がテンプレートのままになっていないか
- 必要な情報が漏れなく入っているか
- 返事が欲しい場合は明記しているか
オリジナルの情報を入れた結果テンプレ通りにいかなくなり、どのように文章をつなげば良いか分からなくなることがあります。その場合は思い切って文章を省き、情報を箇条書きにしましょう。
大事なのは内容が簡潔で分かりやすいことです。必要なことさえ書けていれば、あとは最低限の挨拶だけでも問題ありません。
4.不自然でないメールを書くために
メールを書く時に迷うのが、相手との距離感です。クライアントや顧客にはどの程度丁寧に書くべきなのか、また社内の他部署の人に送るメールの書き出しは何か…。日本語でも、送る相手によって書き出しが「お世話になっております」や「お疲れ様です」など、微妙に変わります。細かいことではありますが、実際メールを書こうとした時に気になる部分でもあります。
そんな時はテンプレートを眺めるより、実際に送受信されている社内の英文メールを参考にしましょう。クライアントからあなたへ送られてきたメールや社内一斉送信メール、他部署の外国人があなたに送ってきたメール。上司や同僚が作成したメールが見られるのであれば、ぜひそれも参考にしてください。
同じ英文メールであっても送信先によって書き出しや言葉のシンプルさが微妙に違うことに気付くでしょう。英語も日本語と同様、丁寧にすればするほど1文が長くなる傾向があります。
試しに先ほどのweblio翻訳で「返事ください」と入力すると
Please reply.
とシンプルな文が出てきます。
次に「お返事をお待ちしております」と入力してみると
I am looking forward to your reply.
と少し長めの文になり、丁寧さが増しています。
実際のメールの相手がどの程度の距離感で書いてきたか、またあなたとの上下関係も考慮した上で、より適切な表現を選びましょう。
5.社内のセキュリティで外部サイトが見られない場合はどうする?
業務で顧客情報を扱っていたり、コンプライアンスの観点から社内のネットワークでは業務と関係ないサイトが見られなくなっている場合があります。
あなたにとって英語のテンプレートサイトは業務に必要不可欠でも、それが外部サイトなら社内システムはアクセスを許してくれません。そんな時はどうするか、3つの方法をご紹介します。
5−1.アクセス権限のある人に調べてもらう
あなたのパソコンからはアクセスできないサイトでも、上司や別業務をしている人は見られる場合があります。
そういう相手が近くにいる場合は、お願いして必要なテンプレートを検索してもらいましょう。
ただし長時間パソコンを占領するのは厳禁です。上司が忙しくてとてもそんなことを頼める雰囲気でない場合は、次の方法を試してください。
5−2.他の人が書いたメールをコピー&ペースト
あなたが送りたい内容のメールと似通った内容を、もうすでに誰かが書いている場合はありがたく使わせてもらいましょう。
ただし送信前に必ず読み返して
- 固有名詞、日付の確認
- 機密情報をコピーしてしまっていないか
- 宛先は正しい相手になっているか
を確認してください。メールのコピーは便利ですが、油断すると重大な情報漏洩を生みかねません。自信がない場合は一人で無理せず、次の方法へと進んでください。
5−3.キャパオーバーの場合は出来る人に聞く
インターネット検索もできない、他の人のメールを見ても書ける自信がない、そもそも内容がイレギュラーでテンプレートがない。そんな時はメール作成自体があなたのキャパシティを越えていますので、無理せずまわりの出来る人に助けてもらいましょう。
自分の能力以上のことを何時間もかけてがんばったところで、あなたも損ですし会社も得しません。早く対応できそうな人に質問したり、今回だけお願いして代わってもらうのもアリです。
その時は「こんなメールが書きたいから訳してほしい」と丸投げするより、ある程度骨格となるメールを書いてチェックしてもらう方が相手の負担になりません。
6.英文メールがもっと早く書けるようになりたいなら
業務で頻繁に英文メールのやり取りがあるのなら、早く書けるに越したことはありません。英語対応ができるというのは立派なスキルですので、社内での評価が上がったり、転職の時も有利になったりします。
英文を早く正確に書けるようにするには、まず以下を徹底しましょう。
- メール送信前に必ずwordなどのスペルチェック機能を使いスペルミスを無くす
- 頻繁に使う単語や文は辞書登録し、入力時間を短縮する
- 同じく頻繁に使うテンプレートはパソコンのメモ帳に保存しておき、素早く取り出せるようする
特にスペルチェックは大切です。日本語でも誤字脱字だらけのメールが来たら相手に対する信用度が下がりますよね。wordの場合は画面左上の「ファイル」を選択したあと「オプション」へ進み、「文章校生」をクリックするとスペルチェック機能のあるなしが選べます。自分より出来る先輩が書いた英文でも、ネットから引っ張ってきたテンプレートであっても、メールが完成したら一度スペルチェックしてください。
それだけで完成度がぐっと上がります。
7.さらに文章作成能力をアップする方法
あなたがもし家でこのページを見ているのなら、よほど英文メールに悩まされているか、向上心があるかのどちらかでしょう。空いた時間を使ってもっとスキルアップできるおすすめの方法をご紹介します。
7−1.あなたの英文を世界中のネイティブが検索してくれる無料サイト
ビジネスでも日記でも、自分で書いた英語をWeb上に公開し、それを見た世界中の人に添削してもらえるサイトがあります。
まずは登録し、ブログのような画面に英語で何か書くと、通常1日以内のレスポンスで誰かが添削してくれます。自分の英文がどれほど正しいのか、このサイトを使って確認することができます。ただし世界中の人がランダムに添削していくので、国による文化の違いや添削者の好みが反映され、最適な回答が得られるとは限りません。また間違えていても何を間違えたか、という答えは自分で探さなければなりません。
7−2.プロにしっかり教えてほしい人は、英語の総合力アップを目指すのもアリ
自分が書いたビジネスメールを、プロ講師にしっかり添削してもらいたい。そんなニーズに応えるべく「英文メール 添削」で検索すると有料のオンライン添削サービスがたくさん出てきます。
しかしLang-8などの無料サイトがあることを考えると、少し割高感があります。
お金を出してまで英文を勉強したいという意欲があるのなら、いっそのこと総合的な英語力アップを目指してはいかがでしょうか。英語のライティングに加え、ビジネス英語が話せれば完璧です。
英会話学校でビジネス英語のマンツーマンレッスンを受けると大金が飛びますが、オンライン英会話だと好きな時間に安く勉強できます。
7−3.プロが添削、ライティングと一体になったビジネス向きのオンライン英会話
英語の4技能、すなわち「読む、書く、聞く、話す」すべてが学べるレッスンを提供しているのがベストティーチャーです。通常のオンライン英会話のようにいきなり講師とSkypeで話すのではなく、まず好きな場面を選び、会話の内容をライティングします。
ライティングしたものがプロの講師に添削され、その添削された英文を教材として会話レッスンを行います。講師側にかなり手間がかかる割に、受講料はレッスン受け放題の通常コースが月額9800円。
内容はビジネス会話が中心となりますが、ただ話すだけでなくライティングのフィードバックも受けられてこの価格はお得です。
ゆくゆくは英語力全体をアップしたい、と思っている人は無料の体験レッスンから始めてみてください。
まとめ
いかがでしたでしょうか。英文メールはいつ来るか予想できず、また内容によってはすぐ返信しなければならないのでやっかいですよね。しかしみんなにとってやっかいな仕事をもしあなたがスムーズにこなせたら、それは武器へと変わります。今持っている業務を面倒だと捉えるか、チャンスだと捉えるか。あなたの行動ひとつで、今後のキャリアも変わるかもしれません。