上達するために!英会話教室をおすすめできる人・できない人

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英会話教室って高いですよね。大手の有名なところだとグループレッスンで月1万円、マンツーマンだと1回の授業で7千円前後かかります。それで本当に英語が話せるようになるなら払う価値はあるかもしれないけれど、残念ながら何年通っても話せるようにならない人はたくさんいます。それはなぜでしょうか。選んだ学校が悪いのでしょうか。講師の教え方が下手なのでしょうか。

実は、英会話教室に通って上達する人としない人の間には大きな違いがあります。様々な教室の比較サイトもありますが、いくら授業内容が良くても続かなければ意味がありません。英会話教室で本当に上達するにはどうすればいいのか、そのための学校選びの方法もお教えします。

英会話教室に向いているタイプ、向かないタイプ

英会話教室は全国に8000校もあり、そこで学ぶ生徒も100万人以上います。にも関わらず、英語が話せる人の数は増えているようには見えません。英会話は楽器やスポーツと違い、ただ教室に通って課題をこなしているだけではなかなか上手にならないからです。

それでも英会話教室がなくならないのは成果を出しているからではなく、上達しなくても趣味の延長で何年も通っている人がたくさんいるためです。一方で、英会話教室をうまく使って確実に上達できる人もいます。その違いはなんでしょうか。

  • 英会話教室で上達できるのはこんなタイプです。
  • すでにある程度英語が話せる
  • 教室に通うことでモチベーションが上がる
  • 教室以外でも自習する時間が取れる
  • ビジネス英語をしっかり習いたいなど、教室に通う目的がはっきりしている

イチから勉強するために教室に行く、という人もいるでしょう。しかし次のような人は、せっかくのレッスン代が無駄になってしまう可能性が高いです。

  • まったくの英会話初心者
  • 中学英語の文法があやふや
  • 知っている単語の数が極端に少ない
  • 自習する時間がない
  • 強引な勧誘や営業に弱い

どうして初心者ではダメなのか、またどうすれば英会話教室で上達できるようになるのか、ご説明します。

英会話教室は練習ではなく試合をするところ

ふつうの習い事は、初心者でもまじめに通えば少しずつ上達していきます。まったく泳げない人だって、水泳教室に通ってバタ足から始めれば1年後には泳げるようになるでしょう。しかしそうはいかないのが英会話です。

授業の中だけで新しい知識を覚えたり、練習したりするには効率が悪すぎるのです。本当に上達したければ勉強や練習は家でおこない、その成果を英会話教室で試すようにしてください。教室には練習ではなく、試合をするようなつもりで行くのです。今まで英語を話す機会がなかった人は、外国人を目の前にするとまちがいなく緊張します。練習も模擬試合もせずにいきなり最強の対戦相手に挑むのですから、無理もありません。

それなりの準備をしてから試合に出たほうが、リラックスしてふだんの力を発揮できます。

英会話教室で文法を習うのはもったいない

初心者クラスでは日本人の先生が丁寧に文法を教えてくれたり、ネイティブの先生がやさしい英語で文法を教えてくれたりします。基本の英会話で使う文法は中学英語でじゅうぶんです。少しレベルが上がったとしても、高校で習った範囲まででたいていの会話は成立するでしょう。ですから初心者クラスで習う文法はどこか見たことがあるもので、そこまで負担を感じずに勉強できます。それはつまり、すでに知っていることを高いお金を払って復習しに行っているようなものです。

何度か授業を受けているうちに気づくはずです。「これ、教えてもらわなくても家で勉強できるなあ」と。

その通りです。

教室のスタッフから「文法もネイティブに習った方がいい」と勧められるかもしれませんが、そんなことはありません。英語の文法用語に慣れていないのに授業で習うより、家で中学の教科書を復習した方がよほど早く進みます。中学で習った文法を英会話教室で復習するのは時間がかかり、それだけ料金もかかります。でも誰も親切に「それはお金の無駄だよ」とは教えてくれません。

講師も英会話教室のスタッフも、仕事ですからあなたが長く通ってくれる方がいいのです。もしまだ中学英語の復習が必要なら、教室に通い始める前に家で勉強しましょう。学生時代に英語が苦手だった人も、わかりやすくまとめられた大人向けの中学英語のテキストがありますので、まず1冊やってみてください。英語でスムーズに会話するためには、基本的な文法の知識は必須です。英会話教室に通うだけで魔法のようにわかるようにはなりません。

自分のことを話すための単語はひと通り覚えよう

英会話初心者がよくぶつかる壁が、「言いたい単語が出てこない」ことです。ある程度話せるようになると、わからない単語が出てきても他の英語に言い換えたりできるのですが、最初のうちはそれもできません。会話に詰まるたびに辞書を引き、メモをとり、また詰まり、辞書を引き…。こんな感じでレッスン時間はあっという間に過ぎていきます。

グループレッスンだと辞書を引いている間に話題が変わっていることもあります。その辞書を引いている時間、とってももったいないですよね。文法がわからない場合も同じです。言いたいことが言えないからランダムに話す。講師がそれを正しい文法で言い直す。それをメモする。その繰り返し。もしも、あらかじめ必要な単語を覚えて行っていたら?基本的な文法は話せる状態で授業に行けたら?ネイティブ講師との時間はもっと有意義なものになるでしょう。

予習も復習もして行こう

「1週間に1時間だけ教室に通ったって上達するわけがない」

英会話教室に否定的な人はよくそんな風に言います。確かに、英語に触れる時間が教室の授業時間だけならば、上達は難しいでしょう。少なくとも授業で新しく学んだことの復習と、次回の授業で必要な単語や文法の予習は必要です。

「そんなことは当たり前だ」と思うかもしれませんが、予習どころか復習すらせず、ただ教室に通い続けている人もたくさんいるのです。私も経験がありますが、教室に通うことで「英語を勉強している」気になってしまい、満足してしまいがちです。家で勉強する気にならなくても「まあ、教室で英語に触れるからそれでいいや」と考えてしまいます。

英会話教室が家で勉強しないことの言い訳になってしまっては、本末転倒ですよね。「家で勉強する時間がないから英会話教室に行きたい」と思っているなら、考え直した方がいいです。教室への移動時間や授業時間を、全部家での自習時間にあてた方がよほど効果的だからです。自分で勉強する時間が取れないほど忙しいのなら、なおさら貴重な時間を無駄な教室通いについやすのはやめておいた方がいいでしょう。

強い勧誘を断りきれない人は気をつけて

全国に展開している大手の英会話教室は、雑誌広告や駅のポスター、TVのコマーシャルに多額の広告費を使っています。マンションのポストにしょっちゅうチラシが入っている教室もありますね。それらの広告費は当然、生徒が払うお金から捻出されています。特に最近は、格安のオンライン英会話が出てきたことでどの英会話教室も生徒数が減ってきています。

そうすると今いる生徒にさらにお金を払ってもらう必要があり、新しいテキストやより高いコースをどんどんおすすめされることになります。長く通っていてスタッフとも顔見知りになると断りにくく、必要ないコースをとってしまたりテキストを買ってしまったりする人がいます。強い勧誘は大手の教室も個人の教室も変わりありません。そうしないと生き残れない厳しい現実があり、生徒個人の進度よりも教室の利益が優先されるのです。

親身になってくれる教室スタッフや信頼している外国人の先生。そういう人からの勧誘を断れないタイプの人は、気をつけた方がいいでしょう。

良い教室を見つけるには自分に合った条件にこだわる

ネットの英会話教室比較や口コミも役に立ちますが、口コミを書いた人とあなたのニーズが同じとは限りません。特に大手の場合は全国に展開していて各教室の雰囲気も違いますから、直接体験レッスンに行くのが一番いい判断材料となります。体験レッスンは1レッスンまるまる受講できるものから、レベルチェックだけして後はコースの説明になるものまで様々です。

さらに体験後は必ずと言っていいほど勧誘が待っていますから、流されないように、事前に以下のポイントをチェックしておきましょう。

  • 通える値段設定か(職場の福利厚生や教育訓練給付制度が使えるかもチェック)
  • 入学金割引など、期間限定のキャンペーンがあるか
  • 無理なく通える時間に希望のレッスンがあるか
  • ビジネス、留学、試験対策など、自分の目的に合ったコースがあるか
  • 予約、キャンセルがしやすいか

お得なキャンペーンはぜひとも利用したいですが、こちらから言い出さないと教えてくれないところもあります。少しでも安く通うために割引情報はできる限り調べてください。また意外と気にされないのがレッスン時間です。その教室が夜9時までやっていたとしても、自分のとりたいコースが平日昼間だけなら通えません。

予約もネットで簡単にできるところから毎回電話しなければいけないところまで、教室によってバラバラです。そういう細かい違いであとあと不便さを感じることになり、通うのがおっくうになってきます。各レッスンの時間や予約方法は、体験レッスン後の説明で初めて知らされる場合もあります。そこで自分に合わないとわかると時間がもったいないので、公式サイトに書かれていなければ先に電話して確認しましょう。

大手の英会話教室と個人の教室との違い

TVでコマーシャルをしているような大手の英会話教室は安心感がありますが、料金が高いのがネックです。また、その地域にしかない個人経営の英会話教室は安いけれど「ちゃんと教えてくれるの?」と心配になります。気になるならどちらも体験レッスンに行ったほうがいいですが、2つの主な違いをご紹介しておきます。

大手の英会話教室のメリットとデメリット

誰もが知っている英会話教室は「安心できるけど高い」以外にどんな特徴があるのでしょうか。

メリット

  • 教え方にマニュアルがあり、どの講師に習っても同じ質の授業が受けられる
  • 試験対策コースやビジネスコースなど専門のコースの充実
  • 駅前など通いやすい立地
  • 引っ越してもほかの教室に通える

デメリット

  • マニュアル通りの授業になり、自分で内容をアレンジしにくい
  • テキストが高額、教室指定のテキストしか選べない
  • 立地がよい教室は予約がとりづらい
  • 多大な広告費をかけているため入学金、レッスン料ともに高い

料金は高くても構わないから仕事終わりに通える便利な立地や、目標に向けてしっかり指導してくれるカリキュラムを求める人には向いています。反対に好きな話題を話せるようになりたかったり、自分の習いたいことを中心に授業を受けたい人には合わないかもしれません。

個人の英会話教室のメリットとデメリット

個人経営の教室は大規模な宣伝ができないので、ネットで探すか歩いていて偶然見つけるぐらいしか出会うチャンスがありません。こちらもメリット・デメリットともにご紹介します。

メリット

  • 大手より料金が安い
  • 習いたいことを重点的に勉強したり、好きなテキストを持ち込めたりと自由度が高い
  • 映画や海外ドラマを教材に使う、英語で料理を作るなど独自のコースがある
  • 講師のマニュアルが厳しくないのでのんびりしており、アットホームな雰囲気

デメリット

  • 講師の研修やマニュアルがない教室では、授業の質にバラつきがある
  • 授業料が安いぶん講師の給料も安いので、やる気がない講師がいる
  • 授業内容が自由すぎてただのおしゃべりになることがある
  • 公式サイトの情報が少なかったり、予約が電話でしかできないところがある

個人経営の教室の一番の魅力は安さです。

ただし大手の英会話教室のように、こちらが受身でいても講師がマニュアルにそって授業を進めてくれるとは限りませんから、自主的にテーマを持ち込める人向きです。

体験レッスンで見るべきポイント

通常、英会話教室の無料体験レッスンは1度しか受けられません。それで高額な授業料を払うかどうか決めなければいけないので、できれば1校だけではなく近所の教室をいくつか回って比べてみるといいでしょう。その中で自分に合った雰囲気のところを選ぶのが一番です。短い体験レッスンの間に見ておいた方がいいポイントをお伝えします。

  • 講師の教え方が自分に合っているか(進行が早すぎたり厳しすぎたりしないか)
  • 自分のレベルが英会話教室に通えるレベルに達しているか
  • グループレッスンの場合、ほかの生徒と年齢や環境が近いか
  • コースや料金の説明がわかりやすくはっきりしているか
  • 強引な勧誘がないか

体験レッスンで外国人と話すと、自分の英語力の足りなさを痛感します。まだ基本の文法や語彙がぜんぜん足りていないと思ったら、いったん教室通いはやめて家で中学英語の復習をした方がいいです。またグループレッスンで自分ひとりが会社員、ほかの生徒はみな主婦や学生という環境だと、授業中の話題が合わず得られるものが少なくなることもあります。

さらに個人経営の教室の場合、講師と教室の関係も少し見ておいた方がいいでしょう。まれに、給料が安すぎたり校長のワンマン経営だったりで講師と運営側の関係がよくない教室があります。当然講師のモチベーションは低いですから、いい授業が受けられなかったり、講師がコロコロ変わったりと落ち着きません。

まとめ

私もかつて、いろいろな教室の体験レッスンに行きました。一口に英会話教室と言っても、立地や規模で本当にいろんなタイプがあります。中には小さいビルの1室で、スタッフも常駐しておらず授業は私と講師の二人だけ、というところもありました。大手の高額な教室の方が生徒のモチベーションが高いかというとそうでもなく、親に全額出してもらっている学生や会社から言われて仕方なく通っているサラリーマンもいます。結局、自分の英語力を高めるのは環境ではなく自分自身です。

あなたの目的に合っていて、かつ無理なく通えるところを見つけるまで、まずテキストを買って教室に通う準備をしましょう。オンライン英会話に登録して外国人との会話に慣れておくのもいいですね。家での勉強が続かない人は、教室に通っても上達しません。英会話教室は努力しなくてもあなたのレベルを上げてくれる魔法のエスカレーターではないのです。しかし自分の力で1歩ずつ階段を上りながら、うまく教室を利用することができれば、払ったお金以上の結果をあなたにもたらしてくれるでしょう。

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