中学生が英語のリスニングを得意にするための具体的な勉強法

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日本では中学校から本格的に英語の授業が始まりますが、英語に力を入れている一部の私立中学校以外は、教科書の英文をひたすら日本語に訳させたり英文法の解説に多くの時間をかける授業スタイルが今でも強く残っています。そして、本物の英語力を付けるには必要不可欠な「リスニング」に関しても、多くの中学校では教科書の本文を録音したCDを授業中に少し聞く程度に留まってしまっているのが現実です。

しかし、リスニングは実際に学校の定期テストや高校入試にも間違いなく出題されますし、その後の大学入試や英検などの資格試験にも出題されます。また、どうせ英語を勉強するのであれば外国人と自由に英会話が出来るようになりたいと考えている人もいるかと思いますが、リスニングが得意になれば相手が何を言っているのかハッキリと分かるようになるので、あとは自分が伝えたい内容を話すトレーニングをすれば実際に英会話を楽しむことができます。

このように、リスニングを勉強しておけば学校のテストで点が取れるだけではなくて、中学校を卒業した後も色々な場面で幅広く使えることが分かると思います。そこで今回は中学校から将来的にもずっと使えるようなリスニング力を鍛えるには具体的にどういった勉強をすれば良いのかについて紹介していきます。

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リスニングを鍛えるにはいつ頃から始めるのが良いのか

簡単に言ってしまえば、リスニングを鍛えるには出来るだけ早く始めれば始めるほど良いです。中学校であれば入学後からすぐに始めるのが一番理想的です。その理由は、リスニングの勉強が英単語の勉強と強く関係しているからです。そもそもリスニングでは自分が単語の正しい発音を知らなければ、その単語を聞いても理解することは絶対にできません。

中学校の英語の授業では単語テストがあるかもしれませんが、基本的には単語の意味を書かせる形式のものが多いので、単語の意味とスペルだけ必死に覚えて、発音は全く気にしないか、ローマ字読みで適当に覚えているという人は少なくありません。

しかし、リスニングを得意にしたいのであればそうした習慣はすぐに止めるべきです。単語の意味は知っていてスペルも正しく書けるのに、聞き取れないというのは非常にもったいないです。それを防ぐには簡単な単語を覚えていく頃から、意味とスペルを覚えると同時に発音もしっかりと1つ1つ身に付けていく方法がおすすめです。これは遠回りのように思われますが、間違った発音を覚えて後で直すよりも効率的に身に付けられます。こうした勉強を毎日少しでも続けていけばリスニングの力は確実に上がっていきます。

リスニングを鍛える上で大切なポイント…1.発音記号を勉強する

正しい発音を覚える上で大切なのが、1.発音記号の勉強と2.ネイティブの音声CDを聞くことです。まずは1.発音記号の勉強から説明していきます。英語の発音というのは舌の位置や唇の動きが組み合わさって生まれます。

そして、それらの動きを誰にでも分かりやすく説明したものが発音記号です。中学校の教科書にもそれぞれの発音記号とそれに対応する舌や唇の動かし方がイラストで掲載されているので、まずはそれらを1通り全て覚えてみて下さい。ただ単にじっと眺めて暗記しようとしても途中で飽きてしまうので、実際に舌と唇をイラストの通りに動かして自分で発音してみることをおすすめします。

最初は発音記号を覚えて正しい発音を身に付けるのは難しく感じるかもしれませんが、これらをしっかりと覚えておけばその後の勉強がとても楽になるので頑張りましょう。ちなみに日本人はLとRやSとthの発音を区別するのが苦手だと言われていますが、発音記号さえ理解すれば決して難しいものではありませんので安心して下さい。

リスニングを鍛える上で重要なポイント…2.ネイティブの音声CDの確認

発音記号を勉強した後は英単語を1つずつ覚えていきますが、必ず意味とスペルを覚える際に単語に書かれている発音記号を見て実際に自分で発音します。そして、何回か自分で発音の練習が出来たら単語帳などに一緒に付いているネイティブの音声CDを取り出して自分の発音が合っていたかどうかを確認して下さい。

CDを聞けば自分の発音が合っているのか間違っているのかすぐに分かりますし、ネイティブの発音を聞くことでちょっとしたリスニングの練習にもなります。音声は5回ほど繰り返し聞いてみて下さい。ただし、中学校の最初の方で出てくる単語はどれも簡単なものばかりなので、自分が正しく発音できる単語は音声を聞かなくても良いです。単語帳に出てくる単語の音声を全て聞いていたのでは時間が掛かり過ぎるので、正しい発音が分からないものや、自分の発音が合っているのか自信が無いものを中心に聞いて下さい。

単語の次は、短い文の聞き取りや英検などの試験問題に挑戦

では、新しく覚える単語の発音さえ勉強すれば、学校のテストで点が取れたり英会話で使えるかと言うと、実際は違います。単語だけを読み上げて「何の単語が読まれたかを答えて下さい」という問題はそれほど多くはありません。では、どういった問題が出されるかというと、2人の登場人物の会話が流れて相手の発言に対する返事として正しいものを答えさせるものや、まとまった量の英文が読み上げられた後にその内容について正しいものを答えさせるものなどです。

そこで、単語の発音の勉強がある程度進んでいけば、教科書の文章をCDで聞いて理解するトレーニングや、英検などのリスニングの問題を少し解いてみるといった勉強をして下さい。それを何度も繰り返すことで皆さんはリスニングが得意になっていくのです。特におすすめなのがリスニングの問題を実際に解いてみるという勉強です。問題を解くと答えが正解かどうかハッキリと分かるので、教科書のCDをひたすら聞いているよりもずっと集中できますし、何問正解するかをゲーム感覚で挑戦できるのでとても面白いです。

もし不正解の問題が多くてもそれを復習して出来るようになればさらにリスニングの力は上がっていくので、ますますやる気も高まります。英検の問題を解いてみても良いですし、本屋に行けばそれぞれの学年のレベルに合わせた色々なリスニング問題集が売られているので、そちらを使っても良いです。問題集のレベルはパラパラとめくって簡単に中身を確認して、自分が6~7割くらいなら正解できそうなものを買って下さい。最初から気合いを入れて難しめの問題集を買ってしまうと、不正解が続いて単純に面白くないので最後まで続けられない可能性があるので止めた方が良いです。最初は簡単なものから始めて、徐々にレベルを上げていくのが一番実力を伸ばしやすいので参考にしてみて下さい。

リスニングだけではなく長文読解にも強くなる勉強…英文音読について

ここまでリスニング力を鍛えていく方法を説明してきましたが、リスニングだけではなくて長文問題も得意になる勉強方法があります。

それは「英文音読」です。

あまりピンと来ない人も多いかと思いますが、英文を音読して勉強すればどうしてリスニングや長文問題が得意になるのかについて簡単に説明します。

英語を理解するときは日本語には訳さない

英語の勉強方法は数えきれないくらいありますが、英語の読み方はたったの1つしかありません。それは「途中で止まったり戻ったりせずに左から右に読む」という事です。当たり前に感じる人がほとんどだと思いますが、中学生で上記のような当たり前の読み方を徹底出来ている人は実はそれほど多くありません。学校の定期テストでは和訳を中心に出されることが多いので「英文はキレイに和訳しなければならないもの」という意識が強く、どうしても戻り読みなどをしてしまう人が多いのです。

しかし、そうした癖が付いていると時間内に長文問題を解き切ることは難しくなりますし、リスニングに関してはそもそも途中で止まったり戻り読みをすることは不可能なので内容を理解出来なくなります基本的に英語は見た瞬間、あるいは聞いた瞬間に理解する必要があります。Dogという単語を見て、①「犬」と日本語に直す→②「この単語は犬という意味だ」と判断する人はいないと思います。単語を見た瞬間に日本語に一切訳さなくても「犬」だと分かる筈です。これが英語を英語のまま理解するということです。

この状態を目指して普段から単語や文法を勉強すれば、どんな英文でも左から右に日本語を挟まずにスラスラ読み進めることが出来ます。もちろんリスニングでも英語のまま理解出来ますから音声を1度聞いただけで理解できるようになるのです。そして、英語のまま理解する能力を鍛えるのに一番良い勉強方法が「英文音読」です。英文を音読するときは左から右にそのままスーッと読み進めるので、日本語が途中で入ってくることは全くありません。音読をしている最中に止まったり戻り読みをすることも絶対に出来ないので、英語を見た瞬間に理解していく能力を最大限に鍛えられます。また、音読は単語の発音の練習にもなるのでとてもおすすめです。この方法をしっかりと使って勉強すれば、ひたすら黙々と声を出さずに勉強するのに比べて、短期間で英語を得意にできるのです。

音読をする際の注意点

音読をする時には「英文の意味をしっかりと理解しながら読む」という意識を必ず忘れないで下さい。英文の意味を何も考えずにただ単に左から右に読み流しているだけでは全く効果がなく、時間の無駄になってしまうので気を付けて下さい。英文の意味を理解しながら読んでいくことで初めて音読の効果が出て、それが少しずつ積み重なる事で英語力が身に付きます。ちなみに、自分が読みたい英文を収録したCDがあれば、その音声に合せて自分も一緒に読み進める「シャドーイング」と呼ばれる勉強方法も効果があります。この方法はネイティブのモデル音声を聞きながら音読するので正しい発音やイントネーションがしっかりと身に付けられる点がおすすめです。普通の音読に慣れてきたらシャドーイングにも挑戦してみて下さい。

リスニングの勉強道具あれこれ…①洋楽

正直に言うと、中学校から英語を本格的に勉強し始めた人がいきなり洋楽を教材として使うのは、歌詞に登場する単語や文法も難しいものが多いのでおすすめはしません。しかし、「英語に対する興味をより深める」という意味では大きな効果があります。学校の教科書に載っているような英文にはあまり興味が持てないという人は少なくないですが、洋楽の場合は自分が好きなものだけを選べるので、楽しんで使えます。また、歌詞カードがあれば日本語訳まで付いているものがほとんどなので、どんな内容の曲なのか意味も理解できます。このように洋楽をリスニングのメイン教材として使うのはかなり高度な英語力が必要ですが、上記のような「英語に親しむ」という意味ではおすすめです。

リスニングの勉強道具あれこれ…②映画

映画は英語の勉強を始めたばかりの人でも使うことは出来ますが、どちらかと言えば英文法などを一通り勉強した後で見ると、登場人物のセリフも理解しやすくなるのでより楽しめます。自分が学校で勉強している英語は実際の会話でも使われているという事を知るのは、勉強のモチベーションアップにも繋がります。また、DVDの場合は「音声を英語、字幕を日本語」や「音声字幕の両方を英語」など色々なパターンで設定できるので、とても便利です。また、一部の映画は本屋に行けばその映画の登場人物のセリフが全て書かれた本が売られているので、それを買って自分で登場人物になりきって音読してみるというのも面白い勉強方法です。映画の中に自分が好きな登場人物がいればますます熱中して楽しみながら勉強できます。

まとめ

ここまで中学生が将来に向けて通用するリスニング力を身に付けるにはどうすれば良いのか、その具体的な方法について紹介してきましたがいかがだったでしょうか。リスニングに限らず英語はある程度の基礎やルールが理解出来れば、あとは実際に問題を解いたり、映画や洋楽を聞いて親しんだりする中で勉強を進めていく方が毎日楽しみながら実力を付けられます。「英語」という教科にはなっていますが結局は言葉」なので、コツコツと毎日楽しみながら学習する気持ちを忘れないで下さい。そうすれば自然と英語力は上がりますし、テストでも点が取れるようになっていきます。皆さんが英語が出来るようになる楽しみを実感しながら学習されることを願っています。

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