どれを選べばいい?英語テストの種類と目的別の選び方

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英検やTOEIC、TOEFLなど、英語力を証明するテストは数多くあります。本屋に行くと、さまざまな過去問や参考書が、ずらりと並んでいますよね。選択肢が多い反面、どのテストを受ければいいか迷ってしまうのではないでしょうか。

そこで今回は、就職や留学に使える英語テストの概要を、目的別に紹介します。初めてテストを受ける際の流れも紹介しますので、参考にしてください。

英語のテストを受ける目的を決めよう

まずは、テストを受ける目的をはっきりさせましょう。英語のテストを受ける主なメリットを、3つにまとめました。あなたの目的に合うものはどれでしょうか。

1.英語力の証明ができる

テストを受ける一番のメリットは、客観的な英語力の証明ができることです。「日常英会話ができます」よりも、「TOEICで700点のスコアがあります」の方が、履歴書に書くときもわかりやすいです。多くの試験はリスニング・スピーキング・リーディング・ライティングの4技能をチェックするので、自分の得意・不得意を知る機会にもなります。

2.仕事や留学の際に必要

英語を使う会社では、入社の際に「TOEIC700点以上」や「英検2級以上」など、必要スコアを定めていることがあります。「過去半年以内のスコア」としている会社もあり、古いスコアしか持っていない人は、受験しなおさなくてはなりません。

海外の大学に留学するときにも、英語力の証明が必要です。その場合、ビジネスに特化したTOEICよりも、アカデミックなTOEFLやIELTSのスコアが求められます。それぞれの出題傾向を把握し、テストに合わせた対策を行ってください。

3,総合的な英語力アップにつながる

とくにスコアが必要なくても、自分の実力を知るために、一度テストを受けてみることをおすすめします。「試験日」という期限に向けて、4技能を総合的に勉強していくので、英語力のボトムアップができます。定期的に受験することで、モチベーションアップにもなります。

目的別:知名度が高い英語テスト

数ある英語のテストの中から、知名度が高く、就職や留学に役立つものを紹介します。

英検

英検は、年に3回、全国の会場で行われます。国内での知名度は抜群で、子どもから大人まで、毎年300万人以上が受験しています。出題範囲は、日常の場面や学校、仕事など幅広く、総合的な英語力が必要です。

英検は7つの級に分かれており、4級・5級は、リーディング・リスニングの2技能、3級以上は4技能(リーディング・ライティング・リスニング・スピーキング)をテストします。中学初級レベルから受験でき、英語力に自信がなくても、チャレンジしやすいのが特徴。合否以外に、英語力の国際基準「CEFR」に対応したスコアを見ることができます。

正式名称:実用英語技能検定

主催:公益財団法人 日本英語検定協会

開催時期・場所:年3回・全国

回答方式:マークシート・記述・面接

結果:7つの級の合否とスコア

おすすめ:大学入試・就活・留学準備

公式サイト:http://www.eiken.or.jp/

TOEICテスト

TOEICとは、ビジネスでの英語コミュニケーション力をはかる、世界共通テストです。「TOEIC Listening & Reading Test」や「TOEIC Speaking & Writing Test」など5つの種類がありますが、一般的にTOEICテストと言うと「TOEIC Listening & Reading Test」を指します。内容はその名の通り、リスニングとリーディングの問題を、マークシートで解く形式です。

年に10回、全国の会場で実施され、合否ではなくスコアで結果が出ます。出題はすべて英語ですが、本番と同じかたちの公式問題集が出ているので、対策しやすくなっています。TOEICは欧米諸国での知名度が低いため、国内での就職・転職活動におすすめです。その場合、必要とされるスコアの目安は700点以上です。

正式名称:TOEIC® Listening & Reading Test

主催:一般財団法人 国際ビジネスコミュニケーション協会

開催時期・場所:年10回・全国

回答方式:マークシート

結果:スコア

おすすめ:日本国内やアジアでの就職

公式サイト https://www.iibc-global.org/toeic.html

TOEFL iBTテスト

TOEFL iBTテストは、アメリカ・カナダの北米を中心に、海外の大学など、多くの教育機関で採用されています。英検やTOEICとは異なり、大学で勉強することを前提としたアカデミックな内容が出題されます。回答はすべてコンピューターで行い、4技能(リーディング・ライティング・リスニング・スピーキング)を測定します。

TOEFLは毎月、全国の地域別の会場で実施されます。海外に留学する際、願書と同時にTOEFLスコアの提出を求められることも多く、早めの対策が必要です。「生活のための英語力」だけでなく、「大学で講義を受けるための英語力」をはかるので、学術用語が出るなど難易度は高めです。

正式名称:TOEFL iBT® テスト

主催:ETS(Educational Testing Service)

開催時期・場所:毎月・全国

回答方式:コンピューター入力

結果:スコア

おすすめ:留学

公式サイト https://www.cieej.or.jp/toefl/index.html

IELTS

IELTS(アイエルツ)は、イギリス、カナダ、オーストラリアなどへ留学・移住する際に必要となるテストです。全国15都市で行われ、会場によって実施頻度が異なります。「アカデミック・モジュール」と「ジェネラル・トレーニング・モジュール」の2種類があり、どちらも4技能(リーディング・ライティング・リスニング・スピーキング)をテストします。

「ジェネラル・トレーニング・モジュール」は日常生活からの出題が中心で、「アカデミック・モジュール」は留学向けの固い内容となります。提出先によって必要なスコアが異なるため、受験前に、どちらのテストを受けるべきか確認してください。

正式名称:International English Language Testing System(IELTS)

主催:British Council

開催時期・場所:会場により異なる・全国

回答方式:筆記・面接

結果:スコア

おすすめ:留学・移住・海外研修

公式サイト http://www.eiken.or.jp/ielts/

ケンブリッジ英語検定

イギリスの名門、ケンブリッジ大学が実施している、由緒ある英語検定です。ヨーロッパを中心に海外での信頼が厚く、留学や海外就職に有利なテストです。

英語力の国際基準「CEFR」にもとづいており、レベル・目的別に多数のテストがあります。一般的なのは、5つのレベルに分かれた「Main Suite(メインスイート)」。4技能(リーディング・ライティング・リスニング・スピーキング)のテストを、筆記と面接で行います。日本では参考書が少なく、難易度も高いですが、海外で通用する英語力が身につきます。

ケンブリッジ英語検定は、学生向けに教育機関が実施しているほか、一般の人も地域の試験センターで受験できます。地方は会場が少ないため、公式サイトで確認してください。

正式名称:ケンブリッジ英語検定

主催:ケンブリッジ大学英語検定機構

開催時期・場所:会場により異なる・地域の試験センター

回答方式:筆記・面接

結果:合否およびスコア

おすすめ:留学・移住・海外就職

公式サイト https://www.cambridgeenglish.org/jp/

 

英語のテストを受けるまでの流れ

英語のテストを初めて受けるとき、どのような流れで、申し込みから当日までを過ごせばいいのでしょうか。筆者が実際にTOEICを受験したときの流れを紹介します。

1.日程と会場を確認する

受けたいテストが決まったら、まず日程と会場をチェックしましょう。テストによっては、地方の実施がなかったり、年に数回しか受けるチャンスがなかったりします。就職や留学に必要な場合は、証明書の発行がいつになるかも、前もって確認してください。

TOEICは、試験日から30日以内に結果が郵送されます。つまり、スコアの提出が必要な日の1か月前には、テストを受けておく必要があります、

2.公式問題集や過去問をチェックする

TOEICやTOEFL、英検は多くの対策本が出ています。まずは公式問題集や過去問をチェックして、出題形式と難易度を知りましょう。とくに英検は、どの級を受けるか決めるためにも、過去問の確認は必須です。英検の公式サイトで確認できるので、目を通してみてください。

本格的な勉強を始める前に、過去問を解いてみることをおすすめします。そこで手ごたえがあったか、もしくは全然ダメだったかで、どのぐらいの勉強期間が必要か予測できます。

3.「いつ受けるか」を先に決める

テストの難易度がわかったら、先に受験日を決めましょう。申し込み期間も確認しておき、忘れないようにします。「実力がついてから申し込もう」と思って期限を決めないでいると、ダラダラしてしまい結局受験すらしない、という状態になります。

筆者の場合、「3か月後にTOEICを受験して700点以上とる」という目標を先に決めました。試験日から逆算すれば、学習計画も立てやすくなります。早い段階で申し込みを行い、集中して勉強することで、目標達成することができました。

4.独学で勉強するか、対策コースを受けるか決める

テスト対策は、独学でもできます。しかし、ライティングやスピーキングの練習を、誰かにチェックしてもらいたいこともあるでしょう。そんなときは、オンライン英会話のテスト対策コースが便利です。各テストの出題傾向に合わせて、スピーキング練習やライティング添削をしてくれるので、独学でカバーできないところが勉強できます。

テスト対策コースがある、おすすめのオンライン英会話を紹介します。

・レアジョブ英会話

参考URL:https://www.rarejob.com/

レアジョブ英会話には、TOEIC600点を目指す人のための対策コースがあります。通常、オンライン英会話のTOEIC対策コースは、リスニングとスピーキングが中心です。

しかし、レアジョブ英会話では「TOEIC Listening & Reading Test」で出題されるすべての問題のレッスンが受けられます。TOEICを初めて受験する人、独学では自信が持てない人におすすめです。

DMM英会話

参考URL:https://eikaiwa.dmm.com/

DMM英会話は、目的別に、幅広いテキストを選択できるのが特徴です。テスト対策のテキストは「英検5級~準1級」「TOEFLスピーキング」「IELTS」「TOEICスピーキング」があります。どのテキストも追加料金なく利用できるので、複数のテスト対策を同時に進めたいときにも便利です。

ベストティーチャー

参考URL:http://www.best-teacher-inc.com/

ベストティーチャーは、リスニング・スピーキング以外に、ライティングにも力を入れています。テスト対策コースは、「TOEFL iBTコース」「IELTS対策コース」「英検®対策コース(3級~1級)」「TOEIC SW(Speaking & Writing)対策コース」などがあります。1つの試験に向けて、集中して学びたい人におすすめです。

まとめ

英語のテストは、留学や就職に使えるのはもちろん、試験日に向けて集中して勉強することで、総合的な英語力アップが期待できます。

日本国内で使えるスコアならTOEICか英検、海外で通用するスコアならIELTSやケンブリッジ英語検定がおすすめです。

難易度の高い試験もあるので、過去問を見たら不安になるかもしれません。しかし、コツコツと勉強を続ければ、目標のスコアにいつか届くはずです。勉強時間は、あなたを裏切りません。目標に向けて、今日からがんばっていきましょう。

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