リスニングのコツ|英語が聞き取れない理由と勉強方法

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みなさんは、英語のリスニングは得意ですか?私は、何年か前までは、とても苦手でした。しかし、いくつかのことに気をつけながらリスニングを練習・挑戦するようになってから、めきめきとリスニング力が上がっていくのを感じました。IELTSのリスニングセクションで満点に近い8.5を取得し、現在では滞在中のイギリスでも問題なく生活することができています。今日は、そんな私が実践していたリスニングの勉強法と、リスニングをしている最中のコツをご紹介していきます。

<そもそもなぜ聞き取れないのか>

最初にお断りを入れておきますが、私は中学生の頃から英語が好きでした。洋楽を聴いたり、洋画を見るのも好きでした。空いている時間には好んで英語のラジオを聴いたりと、英語をいわゆる「聞き流し」にしている状態が多かったです。それでも、いざ英語の試験のリスニングになると、思ったように点数が伸びなかったり、英語のネイティブスピーカーと話をしても、相手の言っていることが5割、あるいはそれ以下くらいしかわかりませんでした。そこで、まずはどうしてこんなに英語に触れているのに、リスニングが上手くできない理由を考えてみたのです。以下にその理由を挙げていきます。

理由1:語彙力が足りない

日本語も同じですが、全く予備知識のないままで専門的な会話を聞いても、内容がよくわからないことがあるでしょう。どんな言語であれ、自分の知らない単語は聞き取れないのです。たとえば、簡単な例を挙げると、Can you get me the salt? (「塩を取ってくれる?」)という文章を聞いたとき、もしsaltという単語を知らなければ、意味を理解できませんよね。いくら英語を聞き流しにしていて、その単語がどのように発音されるかを知っていたとしても、その意味がわからなければ、テストの問題も答えることができませんし、まして実際の会話でも困ってしまうことになると思います。

理由2:発音を勘違いしている

実は、私の場合はこれがかなり大きな原因となってリスニング力向上を妨げていました。私は単語を勉強するとき、発音記号やアクセントも確認しなければいけないと頭ではわかっていたのですが、そもそも発音記号の読み方を知らなかったので、その単語の発音を「なんとなく」でしか理解していませんでした。いくら単語をたくさん覚えたところで、それがどのように発音されるのかを知らなければ、実際にリスニングをするときに理解することができません。特に英語は、スペリングと発音が異なる単語もたくさんあります。私は中学生のとき、dictator(「独裁者」)という単語を習い、先生が発音するのを聞くまでずっと「ディクタトー」と発音していました(正しくは「ディクテイター」という発音です)。もう十年以上も前の話ですが、とても恥ずかしかったので今でもよく覚えています。こういった自分の思い込みをもとに英語のリスニングをしていると、知っているはずの単語でも、いざ発音されたときに理解できないということです。

理由3:音と音の繋がりに慣れていない

英語は、日本語よりも単語と単語が繋がって発音されやすいと言えます。例えば、最初に挙げた例文、Can you get me the salt?という文は、「キャン・ユー・ゲット・ミー・ザ・ソルト」とはっきり聞こえるのではなく、「キャニュー・ゲッミー・ザ・ソルト」という風に聞こえると思います。canとyouが繋がって「キャニュー」、またgetの最後tの音は落ちやすいのでほとんど聞こえず、「ゲッミー」のように聞こえるでしょう。こういった繋がり(リエゾン)に耳が慣れていないと、英語をよく聞き取ることができません。 さらに英会話に挑むときには、会話口調特有の省略表現にも慣れなければいけません。例えば、I am going to~(「~する予定」)はI’m gonna、I have got to~(「~しなければならない」)はI’ve gottaという発音になります。

理由4:取捨選択ができていない

日本語で会話しているとき、相手の発話した単語を一語一句とても集中して聞いていますか?おそらく、書き取りテストをしているときでない限り、そんなことをしている方はいないと思います。日本語では一つの文章のうち、何が重要で何が重要でないのかを無意識に理解できているので、リスニングをする際に集中度をうまく使い分けることができます。しかし、英語に慣れてないと、これが難しいのです。

例えば、もう一度同じ例文を使います。Can you get me the salt?という文の中で、一番重要な単語はなんでしょうか。一番必要な情報はおそらくsalt、次にgetかなと思います。 それにもかかわらず、もし最初の表現でひっかかってしまうと、最後の単語を聞きそびれてしまう、なんてこともあるかもしれません。

<リスニングのコツ>

以上に挙げたように、リスニングが上手くいかない理由を見極めたら、あとはそれらを解決していけば、リスニング力は上がっていきます!では、ここからはリスンニング力向上のためのおすすめの勉強法と、実際にリスニングをするときのコツをご紹介していきます。

単語の勉強をする

地道な方法ではありますが、上に挙げた理由の1を解決することができます。すでに私の体験としてお話ししたように、英語の単語を知らない状況で英語を聞き流しにしていたとしても、リスニング力は上がりません。もちろん、幼児期に英語の環境で育つ場合などは例外ですが、もうすでに大人になってしまった私たちは、勉強できる時間も環境も限られています。ですので、まずは基礎を固めるのが一番手っ取り早いのです。そしてもちろん、単語を暗記する際は、その発音とアクセントも必ず確認するようにしてください。発音記号の読み方を知らないという方は、電子辞書やインターネット上の辞書の発音機能を使って練習するのがおすすめです。

スクリプトを読みながらリスニング

現在では、リスニング力の向上のために、英語を聞き流しにして勉強するためのCDなどがたくさん売り出されています。それらに全く効果がないということではありません。英語の音をたくさん聞くことで、英語のリズムや周波数に慣れることができます。しかし、上記のように、聞き取った単語の意味がわからなければ、実際のテストや会話で役立てるとこはできません。そこで、スクリプトを読みながら英語を聞くという勉強法をおすすめします。

スクリプトとは、台本や原稿のことです。例えば、歌詞を目で追いながら洋楽を聴くのでもいいですし、映画を字幕付きで観るのもいいと思います。このようにスクリプトを読みながら英語のリスニングをすることで、先に述べた理由2や3を解決することができます。というのも、もし自分が単語の発音やアクセントを間違って覚えていたとしたら、スクリプトを目で追っている時点で気が付くことができるからです。また、スクリプトを読むことで音と音の繋がり、リエゾンを確認することができます。例えばビートルズで有名な曲、Let It Beなどは、曲を聴いてるだけでは「レリビー」というような音に聞こえると思います。英語のフレーズと、実際の音を同時に確認することで、どの音とどの音が繋がりやすいかを勉強することができます。

ディクテーション

ディクテーションというのは、書き取りという意味の単語です。つまり、聞こえた単語を書き取る練習のことです。リスニングの勉強をする中で、私はこの方法が一番効果的であると実感しました。具体的にやり方をご紹介します。まず、自分のレベルに合ったリスニング教材を用意します。あとから答え合わせをするために、スクリプトが付いている教材を選ぶといいと思います。それから、一文を聞くごとに一時停止して、聞こえた文章を文字に起こしてみる作業を繰り返すのです。全て書き取れなくて構いません。また、スペリングがわからなくても、聞こえた音から想像して書いてみて下さい。全て書き取り終わったら、スクリプトを見ながら答え合わせをして、最後にもう一度同じ音声を聞き直してみてください。最初に聞いた時よりも、確実に聞き取れるようになっているはずです。書き取り練習を始めるとき、最初はとても難しく感じると思います。ですが、全て書き取ることができなくても、スペリングがわからなくても、そこでやめずに続けることが大切です。

これは、リスニングのテストを受けるときの練習にもなると思います。ほとんどのリスニングテストは、リスニング中にメモを取ることを許されていますから、聞こえた単語を書き取っておき、あとから答えを考えることができます。ここでポイントなのは、重要な情報が含まれている単語だけを書き取るようにすることです。例えば、ずっと使っている例文、Can you get me the salt?という文を聞いたとき、canやyouという単語を書き取る必要はないですよね。相手が塩を取ってほしいと思っている、という内容を覚えておきたければ、最低限saltという単語を書き取っておけば、あとから内容を思い出すことができると思います。こういった練習を繰り返すことで、実際の会話でも情報の取捨選択が上手にできるようになってきます。

強調された単語を確実に聞き取る

これは上記の取捨選択の話に似ていますが、英語のリスニングをする上でとても重要であると考えられます。英語の話者は、会話の中である単語を強調したいとき、その単語をゆっくりと、確実に発音する傾向にあるあります。ですので、相手の会話の中でゆっくりはっきりと発音している単語があったとしたら、その単語がその発言の中で、最も重要な単語であるということになります。その単語を集中して聞き取るようにしましょう。

状況から判断する

こちらは当たり前に聞こえてしまいますが、英語のリスニングをしている文脈や状況を知っておくと、確実にリスニング力の向上に繋がります。例えば、もう一度Can you get me the salt?という例文をもとに考えてみましょう。おそらく、この英語を聞く可能性があるのは、食事か料理のシチュエーションだと思います。そして、さらに重要なのは、もちろん、自分の近くに塩がある場合であり、それを相手が必要としているときです。この状況を考えた場合、もし万が一この英文を一語一句上手く聞き取れなかったとしても、状況から判断してなんとなく相手がなにを求めているのか想像できるのではないでしょうか。これと同じで、テストのリスニングにせよ会話中のリスニングにせよ、その英文が発せられた文脈や状況をしっかりと見極めることも、リスニングのコツとなります。

<まとめ>

以上、リスニングが上手くいかない原因と、効果的な勉強法やコツをご紹介してきました。現在、リスニングを向上させるための教材は本当にたくさんあり、どれを使っていいかわからなくなってしまうと思います。ですが、自分のレベルに合い、かつ自分が楽しいと思える教材を使うことで、モチベーションも上がります。また、実際にリスニングをしている最中は緊張したり焦ったりして、精神的にリラックスできないこともあると思います。そんなときは、すでに述べたように、聞こえた単語全てを聞き取る必要はない、ということを思い出して、必要な情報だけを聞き取るぞ、という大きな心でかまえるようにすると良いのではないでしょうか。上達に時間がかかるリスニングですが、上記のポイントを押さえ、根気よく勉強してきましょう!

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