英語が苦手な方必見!リスニングを上達させる効果的な勉強法

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みなさんは、英語の勉強をしている中で、何が一番難しいと感じますか?私は、リスニングの勉強に一番苦労しました。そもそも、英語の周波数は日本語の周波数と全く異なるとも言われています。つまり、日本人が英語を聞き取るとるということは、まるで別の生き物の言語を理解するのと同じくらい大変なことなのです。

しかし、それを言い訳にして何も勉強しなければ、リスニング力は一向に上がりません。そこで今回は、「もっと英語を聞き取れるようになりたいのに、なかなかリスニングが上達しない!」と思っている方のために、リスニングがなぜ上達しにくいのかという理由の診断と、英会話やテストにも役立つリスニング勉強法をご紹介きていきます。

なぜ聞き取れない?

英語を聞いても、「何を言ってるのか全然わからない!」という方は、もしかしたら原因を追求せずに初っ端から「無理」と諦めてしまっているかもしれません。そうすると、脳が英語を拒否してしまって、ますます英語が聞き取れなくなってしまいます。ですので、まずは自分がなぜ英語を聞き取るのが上手くできないのか、その理由を知ることが大切です。

考えられる理由1:そもそも発音された単語を知らない

極端な例ですが、I need a dictionary. (「私は辞書が必要です。」)という文章を聞いたときに、もしIもneedもdictionaryも知らない単語であれば、例え音がよく聞こえたとしても、意味を理解できませんよね。これは日本語でも同じです。全く予備知識のないままで何か専門的な会話を聞いても、内容がよくわからないことがあるでしょう。どんな言語であれ、自分の知らない単語は聞き取れないのです。これは基礎的な英語の勉強よりも先に、あるいは英語の基礎を習得する前に、リスニングの勉強を始めてしまった場合によく起こります。少し厳しく聞こえるかもしれませんが、英語が聞き取れないのではなく、英語を知らない、というパターンです。

理由2:発音を勘違いしている

一方で、文字だけを見て勉強しすぎてしまった場合に陥りやすい原因もあります。それは、たくさんの単語の意味を知っていても、その正しい発音とアクセントを知らないということです。いくら単語をたくさん覚えたところで、それがどのように発音されるのかを体験したことがなければ、実際にリスニングをするときに理解することができません。特に英語は、スペリングと発音が大きく異なる単語がたくさんあります。私もリスニングや発音が苦手だったころ、vague(「あいまいな」)という単語を見たままに「ヴァギュー」と発音してしまって恥ずかしい思いをしたことがあります(正しくは、「ヴェイグ」のような発音です)。こういった自分の思い込みをもとに英語のリスニングをしていると、知っているはずの単語でも、いざ発音されたときに理解できないということです。

理由3:英語の音に慣れていない

英語は、日本語よりも単語と単語が繋がって発音されやすい言語です。例えば、最初に挙げた例文、I need a dictionary.という文は、「アイ・ニード・ア・ディクショナリー」とはっきり聞こえるのではなく、「アイ・ニーダ・ディクショナリー」という風に聞こえると思います。needの最後の文字dと次の文字のaが繋がって「ダ」と聞こえるのです。これは隣り合う文字と文字が子音+母音の発音になったときに起こりやすいです。こういった繋がり(リエゾン)に耳が慣れていないと、英語をよく聞き取ることができません。他の例も挙げてみます。

ーYour dictionary is on your desk.(「君の辞書は机の上にあるよ。」)

 →「ヨア・ディクショナリー・イゾンニョア・デスク」

ーDid you get it? (「わかった?」もしくは「それを取った?」)

 →「ディジュ・ゲティットゥ?」

などなど。さらに英会話に挑むときには、会話口調特有の省略表現にも慣れなければいけません。例えば、I am going to~(「~する予定」)はI’m gonna、I have got to~(「~しなければならない」)はI’ve gottaという発音になります。

理由4:取捨選択ができていない

日本語で会話しているとき、相手の発話した単語を一語一句とても集中して聞いていますか?おそらく、書き取りテストをしているときでない限り、そんなことをしている方はいないと思います。日本語では一つの文章のうち、何が重要で何が重要でないのかを無意識に理解できているので、リスニングをする際に集中度をうまく使い分けることができます。しかし、英語に慣れてないと、これが難しいのです。

例えばWould you mind coming to my place after 6pm? (「僕のところに6時以降に来てもらってもいい?」)という文章を聞いたとします。この文章の中で最も重要な情報は、おそらくcomingとafter 6pmです。話の文脈によってはmy placeが重要となることもあるでしょう。それにもかかわらず、もし最初の表現Would you mindにひっかかってしまうと、「あれ、この表現ってどういう意味だっけ」、「どういうときに使うんだっけ」と余計なことを考えるのに頭を使ってしまいます。そうすると肝心の重要な単語を聞きそびれてしまう、なんてことが起こりえるのです。

理由5:日本語を介してしまう

最後に、すでによく指摘されている原因をご紹介します。それは、英語を聞いてから頭の中で日本語に訳してしまうので、理解するのに時間がかかるということです。だからこそ、「日本語を介すな」という教訓が生まれるのです。「聞こえた英語を一度日本語に訳せばちゃんと理解できる!」という方は、とてもいいところまで来ていると思います。しかし、実際のリスニングや英会話では、日本に訳す時間はありません。会話でそれをしていると、日本語に変換している間に次の文章を発音されてしまって、ついていくことができず、ますます英語が聞き取れない原因を作り出してしまうことになります。

リスニング力を効果的にアップさせる勉強法

以上に挙げた、リスニングが上手くいかない理由のうちで、ご自分に当てはまりそうなものはありましたか?もしリスニングが上達しない原因がわかっても、落ち込む必要はありません。その原因を解決していくように努力すれば良いのです。これから、私が実際に試してみて効果を感じた勉強法をご紹介していきます。

単語と文法の勉強

これは当たり前のように聞こえてしまうかもしれませんが、上に挙げた理由の1や4を解決することができます。すでに何度も述べているように、英語を全く知らない状況で英語のリスニングをしたとしても、リスニング力は上がりません。もちろん、幼児期に英語の環境で育つ場合などは例外ですが、もうすでに大人になってしまった私たちは、勉強できる時間も環境も限られています。ですので、まずは基礎を固めるのが一番手っ取り早いのです。

単語の勉強の目安としては、日常会話程度を目指す方は中学生レベル、大学受験を視野に入れている方は高校生レベル、留学やそれ以外の資格試験を目標としている方はアカデミックレベル、あるいはご自分の興味に合わせた分野の専門用語まで勉強するようにしましょう。また、単語を暗記する際は、その発音とアクセントも必ず確認するようにしてください。電子辞書やインターネット上の辞書の発音機能を使って練習するのがおすすめです。

リスニングの上達を目指しているのに、どうして文法の勉強も必要なのかと不思議に思う方もいらっしゃるかもしれません。しかし、きちんと英語の文法を理解できていれば、英語の語順に慣れることができ、上記の理由4を解消することに繋がります。例えば、英語では関係詞のthat、which、whoなどを使って文章を繋いでいくことが頻繁にあります。それら関係詞の機能をしっかりと理解していれば、英文を聞いたときにすんなりと頭に入ってくるのです。文法があやふやだと、「which以下の文章はどの部分を修飾しているのか」といった余計なことを考えるのに時間がかかってしまいます。もちろん全ての文法を完全にマスターする必要はありません。単語と同様、自分の目指したいレベルに合わせて勉強をするようにしましょう。

スクリプトを読みながらリスニング

リスニングの上達のために、英語を聞き流しにするといいと聞いたことがある方がいらっしゃると思います。確かに、それも効果的です。英語の周波数に慣れることができます。しかし、先にも述べたように、私たちはすでに成長した大人であり、忙しい毎日を送っていますから、ただ英語を聞き流して英語漬けになるということが物理的に難しいはずです。そんなときに、短い時間でも効率よくリスニング力を上げられるのが、スクリプトを読みながらリスニングをするという練習法です。

スクリプトとは、台本や原稿のことです。例えば、映画を字幕付きで見るのでもいいですし、アプリの教材を使うのもいいと思います。リスニングをしながらスクリプトを読むのがなぜ効果的かと言うと、上記の理由2や3の解決に繋がるからです。もし自分が単語の発音やアクセントを間違って覚えていたとしたら、スクリプトを目で追っている時点で気が付くことができます。また、「この単語とこの単語が並ぶとこういう音に繋がって聞こえるんだな」という風に、リエゾンの確認をもすることができます。ですので、リスニングの勉強は耳だけでなく、目からの情報も合わせて活用するのが効果的なのです。

ディクテーション

ディクテーションというのは、書き取りという意味の単語です。つまり、聞こえた単語を書き取る練習のことです。これは、理由5で挙げたような「日本語を介して英語を理解してしまう」という問題点の解決に繋がるのです。書き取りをする際にわからない単語があったとしても、日本語の意味を考えたり確認したりする必要はありません。なぜなら、英語で聞こえた音を英語で書き取ることによって、日本語が介入する隙を与えないように脳を訓練させることができるからです。

具体的にやり方をご紹介します。まず、自分のレベルに合ったリスニング教材を用意します。あとから答え合わせをするために、スクリプトが付いている教材を選ぶといいと思います。それから、一文を聞くごとに一時停止して、聞こえた文章を文字に起こしてみる作業を繰り返すのです。全て書き取れなくて構いません。また、スペリングがわからなくても、聞こえた音から想像して、「なんとなくこんな感じかな?」というものを書いてみて下さい。全て書き取り終わったら、スクリプトを見ながら答え合わせをして、最後にもう一度同じ音声を聞き直してみてください。最初に聞いた時よりも、確実に聞き取れるようになっているはずです。

今までリスニングを勉強してきた中で、私はこの方法が一番効果的であると実感しました。私は当時イギリスの大学院への留学を予定していましたので、IELTSという英語の試験を受けなければなりませんでした。この試験のリスニング問題は、30問あるうちの半分が書き取り問題なのです。例えば、発言された相手の名前や住所、文章中の抜けている単語を書き取ったり、電話番号や料金などの数字を書き取ったりする問題です。勉強を始めた当初、私はこれが本当に苦手でした。特に数字の書き取りが壊滅的で、なかなか得点が伸びず、もどかしい思いをしていたものです。しかし、どうしてもスコアを上げたいという思いから、この書き取り問題を集中的に練習するようにしてみたのです。それまでは、英語を聞き流したり、スクリプトを読みながら英語を聞くだけだったのですが、この書き取り練習を始めてから、一気にリスニングが上達するのを感じました。事実、IELTSのリスニングのスコアが6.5から8.5まで伸びたほどです。

書き取り練習を始めるとき、最初はとても難しく感じると思います。また、脳がとても疲れたように感じるかもしれません。ですが、それは日本語を介さず、英語を英語のまま理解する訓練ができている証拠です。全て書き取ることができなくても、スペリングがわからなくても、そこでやめずに続けることが大切です。

最後に

以上、リスニングの上達を妨げているかもしれない原因と、効果的な勉強法をご紹介してきました。リスニングは、目に見えて上達の度合いがわかるものではないので、勉強していても実際に上達しているのかどうか不安になって、勉強が嫌になってしまうこともあると思います。しかし、ストレスを感じているときにリスニングの練習をしても、きっと集中できずに上手くいかないのではないかと思います。そんなときは、普段の勉強のかわりに、お気に入りの洋画を観てみたり、洋楽を聴いてみたりと、自分なりに楽しめる方法で英語に触れつつ、気分転換をしてみましょう。息抜きも忘れずに、リスニング力を上げられるよう頑張りましょう!

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