映画で楽しく学ぶには?英語学習におすすめ映画10選!

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「リアルな日常会話を楽しく学べる」と、多くの人が英語学習に使う映画。しかし”ただ観ているだけ”で上達するほど、英会話って甘くありませんよね……。学習効果をきちんと得たいなら、その作品からどんな英語(表現)が学べるのか?をおさえた上で、ある程度集中した取り組みが必要です。

今回は英語好き・映画好きな筆者が10作品をピックアップし、それぞれの作品における<英語の勉強ポイント>をお伝えしていきます。ビジネス英語で王道の作品から、発音を真似るのにおすすめの俳優出演作まで、「映画で英語を勉強したい!」と思っているあなたならきっと楽しく読めるはず。

記事後半では、映画を使った英語の勉強方法についてもお伝えしますので、どうぞ最後までお付き合いください。それでは、いってみましょう!

映画で英語を勉強するならこの10選!

【ビジネス英語を学ぶなら鉄板の一作!】マイ・インターン

画像引用:The Intern公式Facebookページ

「ビジネス英語を学べる映画」として、王道の作品です。かしこまったビジネス英語だけではなく、職場の同僚とのちょっとした会話で使えるカジュアルな表現がたっぷりと出てきます。

特に「stay-at-home dads(育メン)」や「Let me Instagram this(インスタに載せるね)」など、現代社会で使える表現はチェックしておきたいポイント。ビジネス用語、スラングともに多い作品ですので中級者以上向けですが、単語や表現を1つひとつ確認しながら進めれば初級者さんでも学習できるでしょう。

<ポイント>
主演アン・ハサウェイの英語は速くてクリア。そのためネイティブスピードに慣れたい方にはぴったりの英語。「速くても聞き取れる」を実感しやすいので、ぜひ耳を傾けてみてくださいね。また、リダクションなど英語独特の発音を意識したいシャドーイングにもおすすめ。

【イギリスの上品な話し方を学ぼう!】ラブ・アクチュアリー

画像引用:Love Actually公式Facebookページ

イギリスが舞台の映画ですが、多国籍なキャラクターによりさまざまな英語が出てきます。イギリス首相役を務めるヒュー・グラントは上流階級寄りの英語を話すと言われていますので、上品な話し方をお手本にしたい人にもおすすめ。

個人的にはキーラ・ナイトレイの英語が、聞き取りやすく真似もしやすいので好きです。作品の中ではアメリカ英語とイギリス英語を比べて笑うシーンもあり、なかなか知る事の出来ない「英語圏の横のつながり」も面白いですよ。

<ポイント>
可愛らしい言い回しが多く出てきます!クリスマスプレゼントをねだるときの「I don’t want something I need, I want something I want(必要な物はいらない、欲しいものが欲しいの)」、11歳の男の子が父親に「Worse than the total agony of being in love?(それって恋の苦しみよりも悪いことなの?)」など、英語の幅広い表現に触れてみてくださいね。

【英語学習に一番おすすめのディズニー作品!】塔の上のラプンツェル

画像引用:Tangled公式Facebookページ

数多くあるディズニー作品の中でも、もっとも英語学習に向いていると言われるのが『塔の上のラプンツェル』。それだけ現代の日常生活で使える表現がたくさん出てくるんですね。

基本的にアニメの英語は聞き取りやすく、「過去の話をしている」「誰かに言い聞かせている」といったように、初見でも場面の理解もスムーズ。イディオムもたくさん出てきますので、中級者さん以上は字幕なしでイディオム探しにチャレンジするなどはいかがでしょうか。

<ポイント>
ズバッと一文で言い切る名言が多く散りばめられています。そのため丸暗記しやすく、文法をおさえて学習効果もUP!たとえばラプンツェルのセリフ、「What if it’s not everything that I dreamed it would be?(もし想像してたのと違ってたらどうしたらいいの?)」を覚えておけば、What if~やthat節の使い方に迷ったとき、すぐ思い出せます。

【英語独特の表現をしっかり聞き取れる!】ターミナル

画像引用:The Terminal公式Facebookページ

英語力ゼロの主人公ビクターが、ニューヨークの空港に閉じ込められて生活しながら徐々に英語を身につけるストーリー。初級者向けでおすすめされることの多い作品ですが、「英語独特の表現」に着目すると、中級者以上にとって手ごたえのある学習素材に。

たとえばビクターが入国できるかどうかの話をしているシーンで、国境警備局主任ディクソンが言う「I’m sure that Uncle Sam will have this all sorted out by tomorrow, and welcome to the United States. Almost.(明日までには解決できるでしょう)」のUncle Sam(”アメリカ人″のスラング)。主人公が「welcome to the United States」だけを聞き取ってThank youと返すのも、英語学習者あるあるで面白い演出ですね!

<ポイント>
主人公の英文法ミスを探すと面白いです!「Would you like to get eat to bite?」「I not understand」など、英語字幕を出して視聴すると気づきやすいので、一時停止を利用しながら正しい表現に直すトレーニングをしてみましょう。

【初めての字幕なしにはこの一作!】魔女の宅急便

画像引用:Amazon

あなたがジブリ好きなら初めての字幕なしにはにジブリ作品の英語版がおすすめ!中でも『魔女の宅急便』は簡単な表現が多く、戸惑うことなく視聴できます。

私もそうなのですが、ジブリ好きってジブリのセリフはほとんど覚えていたりしますよね(笑)実はこれ、映画で勉強するには、最強の武器なんです。「I hate Grandma’s stupid pie」と聞いて、パッと「私このパイ嫌いなのよね」が出てくるように、いちいち日本語字幕を確認しなくてもいいのですから。

<ポイント>
『魔女の宅急便』に限らず、セリフを覚えてしまうくらい好きな映画は、字幕なしでもすんなりと理解できるはずです。リラックスしながら観て、「英語ではこういう言い方をするんだ!」と印象に残ったセリフだけをピックアップしても、十分な学習量になりますよ。

【時事ネタはフリートークに活かせる!】コンテイジョン

画像引用:Contagion公式Facebookページ

これは新型コロナウイルスが流行している今だからこそおすすめしたい一本。オンライン英会話など、ネイティブとフリートークを楽しむ方も多いと思いますが、時事ネタの英語に困った経験はないでしょうか?

その時々、時事ネタに合った内容の映画なら、今すぐ使える単語や表現を学べます。本作は感染症がテーマとなっていますので、「The incubation period (潜伏期間)」や「case(症例)」など、今だからこそ知りたい単語が盛りだくさん。政治関連の表現も多いので、ぜひフリートークで活用してみてくださいね。

<ポイント>
社会問題を扱った映画は、英語だけではなく時代背景まで学べるのがいいですよね。他にもエマ・ストーン主演の『バトル・オブ・セクシーズ』では女性差別の問題が描かれ、若き日のレオナルド・ディカプリオが熱演を見せる『バスケットボール・ダイアリーズ』ではアメリカにおける薬物問題が。こうした作品を選ぶことは、言語の持つ文化的背景にも触れられる良い選択です。

【発音練習にはレオ様で決まり!】キャッチ・ミー・イフ・ユーキャン

画像引用:Catch Me If You Can公式Facebookページ

W主演のレオナルド・ディカプリオ、トム・ハンクスともに聞き取りやすい話し方をするので、彼らの出演作はどれもおすすめできます。その中でも本作は特に日常会話で使える表現やTOEIC頻出のイディオムが多く出てきますし、発音練習をしつつ単語力・表現力を増やしたい方にはとっておきの一作と言えるでしょう。

1960年代が舞台のため現代の流行り言葉などは学べませんが、フォーマルな場でのスピーチや恋人同士の会話、父親への手紙……バリエーション豊かな表現が含まれているので、勉強メインでの視聴でも飽きません。

<ポイント>
レオナルド・ディカプリオの英語は本当に聞きやすく、個人的にもっとも英語学習におすすめできる俳優です。(国連でのスピーチもとても素晴らしいのでぜひ聞いてみてくださいね)オーバーラッピングやシャドーイングのお手本にもぜひ!

【コンプレックスを表現するならこれ!】25年目のキス

画像引用:Never Been Kissed公式Facebookページ

ドリュー・バリモア主演のラブコメです。アメリカの高校を舞台にした映画はもちろん他にも多くあるのですが、この作品はいわゆる学生時代のヒエラルキーがベースとなっているんですね。

学生時代にはいじめを受け、コンプレックスを抱えた主人公が大人になり、ひょんなことから高校生活をやり直します。悩みの打ち明け方、考えの伝え方などの表現がたっぷりと学べるでしょう。

<ポイント>
学校イチのイケメン、にぎやかな授業の雰囲気、プロムなど、アメリカらしい高校生活が覗けます。1999年の作品ですので今とは違う部分も多くありますが、「ヒエラルキーなんてばかばかしい」という現代の流れに通じる要素が入っているので違和感なく楽しめますよ!

【今風のカッコイイ英語ならこの人!】最後の恋のはじめ方

画像引用:Will Smith公式Facebookページ

2005年の作品で少し古いのですが、主演のウィル・スミスの英語がおすすめポイント。彼の英語は今風というか、カッコイイ英語を話すんですね。

たとえば「I’m serious.(マジで)」や「What are you doing here?(ここで何してんの?)」など簡単な表現でも、今風ネイティブのイントネーションを真似できます。またウィル・スミス主演の映画の中でも、本作はラブコメで特に日常会話表現が多く勉強にはぴったりですよ!

<ポイント>
この作品は、「Back in college, I was~(大学時代、私は~だった)」や「just keep it simple(簡潔にな)」など、そのまま使えるフレーズが多く出てきます。簡単な言い回しでも「こう言えばいいのか!」という発見が多くて楽しめますよ。

【日本人俳優の英語に学ぶ!】ヒマラヤ杉に降る雪

画像引用:Amazon

戦争を生き抜いた日系人女性とアメリカ人男性の愛の物語。戦争、人種差別、裁判となかなか重く複雑なストーリーですが、セリフ自体はそれほど難しくなく理解しやすいのがポイント。主演を務める工藤夕貴さんの英語がとにかくキレイです!

日本語が母国語の方ですので、英語学習者にとっては耳に馴染みやすい英語なんですね。「ここまで上手くなれるんだ!」とモチベーションにもつながりますし、ネイティブの英語ではどうしても真似できない部分の発音を、工藤夕貴のように英語の上手な日本人から学ぶのもありです。

<ポイント>
法廷での弁論シーンや回想シーン、手紙の文章など、「誰が何について話しているのか」が分かりやすい作品です。また原作もある作品ですので、洋書にチャレンジしたい方は映画を先に見ると理解がスムーズですよ。

どうやるの?映画で英語を勉強するポイント

映画で英語を勉強する際、すべてを通しで視聴する必要はありません。それをしてしまうと、時間がかかる上に覚えるべき部分が絞り切れず、かえって非効率です。

好きなシーンで構いませんので、まずはセリフを書き出してみます。先ほど紹介した映画『ラブ・アクチュアリー』の冒頭で、ヒュー・グラント演じるデイヴィッドのナレーションを例に見てみましょう。

When the planes hit the Twin Towers,as far as I know,none of the phone calls from the people on board were messages of hate or revenge.They were all messages of love.If you look for it, I’ve got a sneaky feeling you’ll find that love actually is all around.
飛行機がツインタワーに衝突したあのとき、僕が知っている限りでは、乗客が残した電話のメッセージに憎しみや報復はひとつも無かった。すべて愛のメッセージだったんだ。もし探してみたなら、愛はどこにでも溢れていることを見つけるはずと、僕は思う。

※英語の構造を理解するために、実際の字幕よりも直訳しています。

①文法・熟語を詳しく調べる

このセリフの中から、文法構造・イディオムを中心に抜き出していきます。パッと見て分からない場合には、最初にスラッシュを入れてから考えるといいでしょう。

When the planes hit(あの飛行機が衝突したとき)/ the Twin Towers,(ツインタワーに)/as far as I know,(私が知っている限りでは)/none of the phone calls(電話はひとつもなかった) /from the people on board(乗っていた人々からの) /were messages(メッセージは) of hate or revenge.(憎しみや復讐の)If you look for it,(もしあなたがそれを探したら)/ I’ve got (私は持っている)/a sneaky feeling(直感を)/you’ll find(あなたは見つける) that love actually(愛って本当は) is all around.(どこにでもある)

例えば熟語なら、「as far as(~の限りは)」がありますよね。「as far as(~の限りは)」は、分解すると「as far as(~の限りでは) ・I know(私が知っている)」となりますが、この言い方は決まり文句。さらにもう一歩踏み込んで解説すると、この場合の「as far as~」は接続詞として使われます。

I(主語)know(動詞)となっているように、「as far as」のあとには文章が続くことを覚えておきましょう。as far as I understand(私が理解する限りでは)・as far as quality is concerned(品質に関する限りでは)・as far as I’m concerned(私の思う限りでは)など、似たような表現も一緒にピックアップして覚えておくのがコツ。

このように1つひとつの熟語の意味・使い方(文法上のルール)・コロケーションをチェックすると、短いセリフの中にもたくさんの学習要素が揃っていると分かりますよね。文法構造についても同様で、文頭の「When~」や隠れているthat節について参考書を開き理解を深めると、TOEIC・試験対策として活かせます。

②オーバーラッピング、シャドーイングへ進む

映画で英語を勉強するなら、意味・イディオムをチェックしたあとに必ず、「自分で発話して定着させる」も行いましょう!

リピート・オーバーラッピング・シャドーイングの順序で行うと効果的ですが、時間がない場合や何度も視聴している映画ならシャドーイングだけでも良いでしょう。ただ、なるべく本物に近づけるようにモノマネを意識して行うのがポイントです。

ちなみに私は自分のシャドーイングを録音しています。改めて自分の英語を聞くとお手本との違いがはっきりしますし、苦手な発音にも気付きやすいのでおすすめです。(録音アイテムを持っていなくてもスマホの動画モードが使えますよ!)

シャドーイングは完璧をめざしてこそ効果があるので、最低でも20~30回はくりかえすのがコツ。そのためあまり長い場面を選ぶより、一文二文程度の短いセリフから始めてみるのがいいでしょう。

自分が好きな発音をする俳優を選ぶと楽しく続けられます。

まとめ

「映画で英語を勉強する」は、思っているより根気のいる作業です。

TOEIC700以上程度ある中上級レベルなら、ただ観ているだけでも新しい表現を吸収しやすいですが、それでもただ流し見るよりも、短い場面を丁寧に学んでいく方がずっと効果的。

自分が好きな作品を使うのも良いのですが、勉強が目的なら映画の良し悪しはさておき「学びたい英語」が詰まっている作品を選ぶのもあり。まずは気になる映画を観て、そこから学びたいフレーズをピックアップして、1週間程度はシャドーイングを続けてみてくださいね。

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