教科書や参考書を使って英語を勉強したけれど、いざネイティブと会話をするとなると、なかなか上手く会話ができない!なんてことはありませんか?もしかすると、ネイティブがよく使う英語の表現を知らないのかもしれません。ネイティブは、英語の教科書には載っていないような、様々な表現、単語を日常会話でたくさん使います。そこで今回の記事では、筆者が実際にイギリスに住んでみてわかった、ネイティブが本当によく使う英語をいくつかご紹介していきます。
形容詞・副詞編
まずは、自分の言いたいことを修飾する際や、会話であいずちを打つ際にとてもよく使える形容詞や副詞をご紹介します。
lovely
これは、特にイギリスでよく使われる形容詞です。日本語では「すてきな」、「すばらしい」、「よい」といった意味になります。Loveという部分からもわかるように、「愛らしい」というような意味で使う場合もありますが、ネイティブは特にこだわりなく、何にでもlovelyを使うのです。例えば、天気がいい日には、“What a lovely day!” (「なんていい天気でしょう!」)とか、誰かと会ったときに、“It’s lovely to see you” (「お会いできて嬉しいです」)みたいに、本当にいろんな場面で使うことができます。
これ以外にも、お店で商品を買って、お金を渡したときに、店員さんに“Lovely! Thank you” (「いいね!ありがとう」)と言われたり、あいずちとして“Lovely!” (「いいね!」)といった風に使う場合もあります。イギリスに来たらぜひlovelyの使い方をマスターしてみてください。
cheeky
Cheekyは、日本語にすると「生意気な」とか「いたずらな」、「ふざけて」などの意味です。これもイギリスでよく耳にする形容詞のうちの一つです。主な意味は「生意気な」というあまりよくない意味ではありますが、悪口ではありません。どちらかというと、からかっているような雰囲気です。ちょっと掴みづらいかもしれませんが、例えば、明らかに体調が悪そうな友人に、“Wow, you look radiant today!” (「おお、今日はとっても元気そうだね!」)とふざけて言ったとします。そんなときに“Don’t be so cheeky” (「ふざけないでよ」)と返事をする感じです。この様に、ふざけているけど、相手を傷つけることのない、悪意のないいたずらをしている人に対してcheekyはよく使われます。
cheesy
上記のcheekyとスペルは似ていますが、cheesyは「安っぽい」、「うさんくさい」といった意味になります。もちろんその名の通り、チーズがたくさん使われている食べ物に対して“Cheesy!” (「チーズっぽい!」)と言うこともあります。ですが、どちらかというと、映画やドラマ、セリフなどが安っぽくて陳腐なときにけなす言葉としてよく使われます。例文では、“That film was cheesy. It was just like the Cinderella story” (「あの映画は安っぽかったよ。まるでシンデレラストーリーみたいな感じで」)などなど。くだらないものを見たときなどにぜひ使ってみてください。
dodgy
これもイギリスではネイティブが頻繁に使う形容詞です。意味は「怪しい」とか「怪しげな」で、発音は「ドジー」です。もともとは、ドッジ・ボールのdodge「身をかわす」、「はぐらかす」という意味の動詞です。ですので、悪いことをしても巧みに逃れているような様を表すときに、このdodgyという形容詞を使うのです。例えば、“Your dealer sounds dodgy. Be careful!” (「その業者は怪しい気がする。気をつけてね!」)といった感じです。人以外にも、“This building looks so dodgy” (「この建物めっちゃ怪しい」)という風に、物に対しても使うことができます。
動詞編
お次は、日本人にはあまりよく知られてないけれど、ネイティブはよく使う動詞をご紹介いたします。英語の幅が広げるために、ぜひ会話の中に取り入れるようにしてみてください。
reckon/ suppose/ believe/ guess
これらの動詞は全て、「思う」という意味です。日本人はよく、“I think…”という表現を多用しがちですが、think以外にもたくさん「思う」を表す単語があります。まず最初のreckonは、一番thinkにニュアンスが似ています。特に根拠はないけれど、なんとなくそう思うといったときに使うことができ、thinkよりもややくだけた表現です。例としては、“I reckon (that) you have no choice” (「仕方ないと思うよ」)となど、thinkと同じ用法で使うことができます。
Supposeも、「思う」という意味ですが、自分の知識や記憶、根拠に基づいて判断しているときによく使われます。例えば、“That call was from her, I suppose” (「彼女からの電話だったと思います」)といった風に、語尾に付け足して使われます。もちろん、thinkと同じでI suppose that…という使い方もできます。
同様に、believeやguessも同じ様に使うことができます。Believeは、確信はないけれどたぶんそうだと思う、guessは不確かではあるけれどたぶんそう思う、というニュアンスです。確信がないことを話すときに、thinkの代わりに、これらの動詞を使う様にすると、相手にニュアンスが伝わりやすくなるでしょう。
fancy
これは、名詞にも形容詞にもなる単語ですが、今回は動詞としての使い方をご紹介します。動詞になると、「ほしい」、「好き」、「…したい」というような、like、wantの意味として使うことができるのです。例えば、 “Do you fancy a cake?” (「ケーキいる?」)とか、“Did you fancy anything?” (「なにかほしいものあった?」)などの表現があります。また、fancyのあとに動詞のing形をつなげれば、「…したい」という意味にすることができます。“I fancy staying here longer” (「もっとここにいたいなあ」)といった感じです。Wantばかり使ってしまうという方は、このfancyもぜひ使ってみてください。
chill (out)
こちらの単語も、形容詞として使うことができますが、動詞の方がよく使われます。「落ち着く」とか「のんびりする」といった意味です。例えば、“What do you want to do today?” (「今日はなにしたい?」)と聞かれて“Just to chill is fine” (「のんびりできればいいや」)と答えたりすると、ネイティブっぽく聞こえます。
似たような表現に、hang out/ hang around/ hang about (イギリス)というものがあります。Chillが家でのんびりだらだらと過ごしている印象なのに対して、こちらは外に出かけてのんびり過ごすという意味です。例えば、“I’m hanging about with one of my friends now. Wanna join?” (「今友達とぶらぶらしてるんだけど、来る?」)など。日本語でよく言う、「遊ぶ」や「お茶する」などもこのhang outという英語でまとめて表現することができるので、とても便利です。
フレーズ編
それでは、最後にネイティブがよく使うフレーズをご紹介していきます。単語のみというよりも、まとめて使われるものなので、そのまま丸ごと覚えてしまうようにしてみてください。
Do you mind…?/ Would you mind…?
これらは、ネイティブとの会話に欠かせない表現となります。意味は「…してもいいですか?」という意味で、後者のwouldを使うと「…してもよろしいでしょうか」のように、より丁寧な表現になります。ただ、使い方が少しやっかいなので、注意する必要があります。…の部分には、動詞のingや、所有代名詞+ing、if節など、いろいろつなげることができます。それぞれ例文を見ながら解説していきましょう。
まず、…の部分に動詞のingが来る場合は、相手に何かをしてもらいたいときの表現です。例えば、“Do you mind opening the window?”は、「窓を開けてもらってもいい?」というニュアンスになります。そもそも、mindは「気にする」という意味なので、直訳すると「窓を開けることを気にしますか?」ということです。ちょっと控えめだけど、なにかをお願いしたいときにとてもよく使われる表現です。
次の所有代名詞とは、myとかher、hisなどのことです。例えば、先ほどの例文にmyを付け足してみると、“Do you mind my opening the window?”となります。これは、直訳すると「私が窓を開けることを気にしますか?」となります。つまり、「(私が)窓を開けてもいいですか?」という質問になります。それ以外の例文では、“Do you mind my sitting here?” (「ここに座ってもいいですか?」)とか、“Would you mind my smoking?” (「たばこを吸ってもよろしいでしょうか」)などなど。
最後のif節が一番簡単かもしれません。自分がしたい内容を、ifのあとに付け足せばいいだけだからです。例えば、“Do you mind if I open the window?” (「窓を開けてもいいですか」)や“Would you mind if I smoke?” (「たばこを吸ってもよろしいでしょうか」)という感じです。
一番難しいのは、これらの表現に対する返事の仕方です。先ほども述べたように、直訳すると「気にしますか?」という質問になるので、「気にする場合」はyes、「気にしない場合」はnoという返事をします。つまり、「窓を開けてもいいですか?」と聞かれて、「いいよ」と言いたい場合は“No”つまり「気にしないよ」と答え、窓を開けてほしくないときは“Yes”「気になるので開けないでください」という意味になるのです。ややこしいですね!しかし、これらの表現をマスターすれば、あなたもかなりネイティブに近くなりますよ!
What are you up to?
これは、「なにしてるの?」という意味です。普通だったら、 “What are you doing?”と聞きたくなると思いますが、この表現は相手の行動を咎めるときによく使われる表現なので、直接的であまりいい印象がありません。ですので、その代わりに“What are you up to?”を使うようにしましょう。これは、基本的には現在形の意味になりますが、場合によっては未来形になることもあります。例えば、“What are you up to tonight?”と言われれば、「今夜はなにか予定ある?」という風に、未来の予定を尋ねる質問になります。
find it … to ~
こちらは、様々な応用が利くとても便利な表現です。日本語にすると、「~することは…だと思う」という意味になります。先ほども少し述べたように、「思う」と言いたいときはすぐにthinkを思い浮かべる方が多いと思います。しかし実際には、ネイティブはよりたくさんの表現を使っています。これがそのうちの一つです。例文を見てみましょう。“I find it difficult to read a book in English” (「英語で一冊本を読むのは難しいと思う」)とか、“I found it easy to do the job” (「その仕事をするのは簡単だと思った」)という風に、最初に形容詞を入れ、そのあとに内容を具体的に説明するような使い方です。いつもthinkばかり使ってしまうという方に、ぜひ取り入れてもらいたい表現です。
bear with me
最後に、筆者がイギリスに来てから初めて知った英語の表現をご紹介したいと思います。それは、bear with meというものです。直訳すると、「私を我慢してください」という変な意味になりますが、これは「しばらくお待ち下さい」という表現になります。例えば、相手と話をしている最中に、少し席を離れなくてはならないときに、“Bear with me for a moment, please”と言うと、「少々お待ち下さい」という意味になります。また、自分がなにかの作業をする間にこの表現を使うこともできます。例えば、“I’ll take a look at your record. Bear with me” (「情報を確認してみるから、ちょっと待ってね」)など。気軽に友達にも使えますし、pleaseをつければ丁寧な表現になるので、ビジネスの場でも使えます。
まとめ
以上、日本の英語の教科書にはあんまり載っていないけれど、ネイティブがよく使う英語の表現をご紹介してきました。ネイティブが使う表現と言っても、今回の記事では、若者が使うスラングや、悪口、汚い言葉はご紹介していません。上に挙げた英語は、大人やビジネスの上でも充分に使えるまともな英語ばかりです。自分の英語に磨きをかけたい方や、いつも同じ表現ばかりつかってしまっているので新たな英語の表現を知りたい方に、ぜひ使っていただきたいと思います。また、ネイティブとの会話がどうしても上手くいかないという方でも、上記の単語や表現を少しずつ使うようにしてみれば、ちょっとずつネイティブの英語に近づくことができるかもしれません。練習を繰り返し、ネイティブのような英語を習得しましょう!