英語の学習につまずいていませんか?英語をネイティブのように話したいと思って勉強を始めても、なかなか上達せずに思い悩んでしまうことがありますよね。そんなときは、より楽しくモチベーションの上がる方法で英語を学習してみましょう。会話力を上げたい人、リスニング力を上げたい人、語彙力を増やしたい人、楽しい方法で英語を勉強したい人、すべての人におすすめなのが、英語のドラマを観ることです!今やHulu、Netflix、Amazonなどで海外のドラマや映画が簡単に視聴できるようになりましたよね。それらのサービスを最大限に利用して、楽しく英語を学習しましょう。そこで今回は、海外ドラマを使って英語を学習する際の注意点と、おすすめの海外ドラマをご紹介していきます。
なるべく英語字幕付きで
海外ドラマを観るとき、普通なら日本語の字幕を付けて観て楽しみたいところですが、中級者以上におすすめなのが、英語の字幕付きで観ることです。生の英語を聞きながら、そのスクリプトを目で追うことで、圧倒的にリスニング力が上がります。また、英語特有の繋がって聞こえる音や、間やタイミングなども同時に学ぶことができるので、それらを真似してみるようにすれば、スピーキングの際に役立たせることもできます。もし途中でわからない単語が出てきたら、一時停止をして辞書を使って単語の意味を調べるのも手です。時間がかかってしまうように思われますが、ドラマの中で出てきた単語はそのときの状況や映像とともに頭に残るので、その単語を覚えやすくなるという利点があります。
まだ初心者で、英語の字幕付きでドラマを観る自信がない方は、まず日本語字幕付きで観てみましょう。そのときに、日本語の字幕ばかりに着目しすぎるのではなく、なるべく英語を聞き取ろうと努力してみてください。例えばいくら英語の初心者であれ、Thank youなどの簡単なフレーズは聞き取れるはずです。自分の聞き取れるフレーズを少しずつ増やしながら、わかならないときだけ字幕に頼る、という風にしてみてください。それから、もし時間があれば、日本語字幕付きでだいたい内容をつかんだ後に、もう一度、今度は英語字幕付きで観直してみるといいでしょう。なるべく英語のみの環境を作ることで上達が早くなります。
真似してみる
ドラマには必ず主人公の決め台詞のようなものや、何度も繰り返される台詞などがあります。そういった台詞を自分でも真似して発音してみるようにしましょう。ドラマの登場人物になりきって真似するのは少し恥ずかしいかもしれませんが、英語を話すということは、日本語を話す自分とはまったく自分を演じるということ、つまり役者と同じなのです。まるで自分がドラマの中にいるかのように装って、発音を真似して練習してみましょう。そうすることで、ネイティブの発音に近づけることができます。また、「元気?」と聞かれたときにする返事、「ありがとう」または「ごめんね」と言われたときにする返事など、だいたい型にはまった答え方が存在します。それらをドラマの中から学んで真似し、実際に英会話においてそれらを使ってみましょう。より自然な会話力が身につきますよ。
舞台背景を勉強する
ただ海外のドラマというだけでドラマを観るだけでは、楽しいだけで、学習には繋がりません。せっかく異国の文化や生活を知る機会ですから、そのドラマがどの国の、どの時代の、どんな階級の人々を描いているのか、を事前に調べるくらいはしておくと良いでしょう。例えば、日本人に人気のGossip Girlは、アメリカの中でも富裕層の高校生を描いていますので、当然魅力的に見えるでしょう。Gossip Girlの登場人物たちのような生活を夢見てアメリカに留学したら、現実は全く違ったなんてこともありえます。また、これも日本人に人気なドラマのDownton Abbeyでは、第一次世界大戦下のイギリスの貴族が中心に描かれています。もちろん使用人も登場するとは言え、イギリスの、しかも1910年代の貴族が話す英語を学んだところで、今それを使ったら少し時代遅れでお高くとまっているように聞こえてしまうかもしれません。
これらのドラマが全く勉強にならないと言っているわけではありません。もちろんリスニング力を高めるのにはとても役立つと思います。しかし、ドラマで描かれている世界がどんな世界なのかをきちんと知らずに、全てを鵜呑みにして自分の生活に取り入れようとしてしまうのは危険です。きちんと予習・学習してからドラマ視聴に臨みましょう。
おすすめ海外ドラマ
では、ここからは筆者がおすすめする海外ドラマをいくつかご紹介していきます。もちろんドラマ自体の面白さも鑑みていますが、英語学習にとって効果的であるか否かも考えた上で厳選したリストです。ご自分の好みに合わせて視聴してみてください。
Friends
Friendsは1994年から2004年にかけて放送されたアメリカのドラマです。シチュエーション・コメディと言って、登場人物が置かれるちょっとおかしな状況によって視聴者を笑わせるコメディのことです。このドラマは1994年に放送開始とだけあって、今観ると少し古くさく感じるかもしれませんが、登場人物が使っているアメリカのスラングは、今でも使われているものが多いです。むしろ、このドラマが原因で流行りだしたスラングもあるほどです。ニューヨークに住む若者たちの友情や恋愛を描いているので、今でも共感できる部分があると思います。ところどころにジョークが散りばめられており、アメリカ人が使うジョークの感覚をつかむ練習にもなります。おもしろおかしく笑いながら、アメリカでよく使われる若者の言葉を学びたい人におすすめです。
The Office
こちらはもともとイギリスのシチュエーション・コメディとして人気を博していたドラマでしたが、2005年以降にアメリカのリメイク版が放映されています。どちらも、それぞれイギリス、アメリカのあるオフィスを舞台に、荒唐無稽で無神経なボスに振り回される従業員の日常をドキュメンタリー風に描いています。上に挙げたFriendsと同様、ばかばかしいジョークの嵐なので、ジョークを学ぶのにも最適ですが、一応オフィスを舞台にしているということで、ビジネス系の英語を耳にすることもできます。イギリス英語を学びたい方は原作のイギリス版、アメリカ英語を学びたい方はアメリカ版、という風に分けたり、両方観て比べてみるのも楽しいかもしれません。
Breaking Bad
Breaking Badは2008年から2013年までに放送されたアメリカのドラマです。舞台はアメリカの田舎町、ある高校の化学教師は、妊娠中の妻と脳性麻痺の息子を抱えながら、自分にも肺がんが見つかります。どうにかして家計を助けるために、自分の化学の知識を活かしながら、覚せい剤の製造に手を染めていくというストーリーです。いくつもの賞を受賞しているだけあって、ストーリーが抜群に面白いので、はまっていくこと間違いなしです。話されている英語は比較的ゆっくり目で、化学の薬品の話をしているとき以外はそれほど難しくないです。初心者にもおすすめのアメリカドラマと言えるでしょう。
The Crown
こちらは2016年から放送を開始した最近のイギリスドラマです。1947年以降の、第二次チャーチル内閣からイーデン内閣下のエリザベス女王の生活を描いた歴史ドラマです。イギリスの歴史や文化に強くないと、多少理解ができない場面もあるかもしれません。しかし、話されている英語はイギリスの女王の英語、つまり文字どおり「クイーンズ・イングリッシュ」です。これからイギリスに行く予定がある方は、現在のイギリスにも通じる文化を学ぶことができますし、イギリスのきれいな英語を学びたいという方にもおすすめです。ただし、舞台が1940年代なので、使われている英語が少し古いということを頭に入れておいてください。現在使うと変に聞こえる英語もあります。
Sherlock
日本でベネディクト・カンバーバッチの大ブームの引き金となった、BBCの2010年のドラマです。ご存じの方も多いかもしれませんが、コナン・ドイルの小説『シャーロック・ホームズ』の現代版です。原作がきちんとあるのはもちろんのこと、現在にも通じるように翻案された脚本は見事で、原作を知っていても見所がいっぱいです。ただ、初心者には英語が難しく感じるかもしれません。というのも、主人公のシャーロックは本当に早口で喋るのです。また、映像技術を駆使して携帯のテクストメッセージなどが画面に映し出されたりもするため、情報量が多く、目で追うのはとても大変です。しかし、現代のイギリス人が使う英語をよりリアルに体験できるのがSherlockの魅力です。一時停止をしたり巻き戻しをしながらでも観る余裕がある方、レベルの高い英語にチャレンジしたい方におすすめです。
Game of Thrones
Game of Thronesは2011年から放送が始まったアメリカ製作のファンタジードラマです。ジョージ・R・マーティンの小説をもとにしています。日本のドラマにはあまり見られないような、暴力的なシーンや性的なシーンが多用されているため、好みが分かれるドラマです。過激なシーンが好きな方は、はまってしまうでしょう。新しいシーズンが今年の夏に公開されるので、それを心待ちにしている方も多いと思います。アメリカが製作のドラマとは言え、役者陣にイギリス出身の役者が多く、だいたいイギリス英語が話されています。また、ストーリーの展開上、登場人物が北と南に分かれているため、それぞれの方言のようなものが話されています。それ以外にも他の国からの移民も登場するため、アクセントの強い英語もあります。ある一定のアクセントの英語だけでなく、様々な英語に触れて慣れておくのには最適なドラマと言えるでしょう。
House of Cards
こちらもかなり上級者向けのアメリカドラマです。2013年から放送が始まり、もうすぐシーズン5が公開される予定です。舞台はアメリカの国会、登場人物のほとんどは国会議員ということで、話されている英語がとにかく難しいです。ただ、主人公はホワイトハウスで主要な人材になりたいと思っている野心にあふれた議員であり、彼の頭脳明晰なスピーチであらゆる人の感情を操作し、利用し、ときには陥れるそのテクニックには脱帽です。すべて英語がわからなくても、まずはペースの速いコミュニケーションに慣れることを目標としましょう。ストーリーにのめり込んでいくうちに、主人公が嘘をついているのか、お世辞を言っているのか、相手を騙そうとしているのか、などが徐々につかめてきます。そうすると、英語が持つ2つの意味や、遠まわしな表現、ほのめかし、当てこすりなど、上級者が学ぶべき英語を学習していくことができます。他のドラマの英語はだいたい聞き取れるようになった人や、より自分の英語のリスニング力や読解力に磨きをかけたいと思っている人におすすめの政治ドラマです。
<まとめ>
以上、海外ドラマで英語を学習する際の注意点や、おすすめドラマをご紹介してきました。ここに挙げた以外にも、たくさんの海外ドラマが存在します。自分の好みやレベルに合っていないと、すぐにつまらなく感じて勉強が続かなくなってしまいます。まずは、1話を観てみて、面白そうだったら次も観てみる、という風に、気軽に構えて始めてみましょう。また、映画と違い、何シーズンも続いている人気のドラマは、観終わるまでにほんとうに長い時間がかかります。長いからこそ、シーズン1を観ていたときと比べて、シーズン5を観ているときの方が英語がわかる気がする、というように、自分の英語力の上達を実感できるのも、ドラマで学習することの利点の1つです。自分のお気に入りの海外ドラマを見つけて、楽しく英語を学習していきましょう!