日本人の英語の発音をネイティブレベルまで上げるためのコツ

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日本人はたくさん英語の勉強をしているのに、英語ができないとよく言われます。その原因の1つに、日本人独特の発音が挙げられると思います。日本語と英語の発音は全くと言って良いほど違うため、きちんと発音の練習をしないと、日本語の発音に影響を受けた英語、つまり日本人訛りの英語になってしまうのです。

昨今の英語教育、特にインターネットやYou Tubeなどでの一般人による英語教育番組では、日本人訛りでもいい!間違っていてもいい!とにかく話すことが大事!というような勢いに任せたアドバイスが多いように思います。しかし、そもそも日本人訛りの英語を使っていては、相手に自分の言っていることが伝わらない可能性があります。また、英語をきちんと勉強していないように勘違いされ、英語のレベルが低いと見下されてしまうこともあるでしょう。

それでは、日本語訛りから抜け出すためにはどうしたらいいのかを、日本人が陥りやすい英語の発音のミスを中心に取り上げて、検討していきましょう。

<カタカナ英語>

日本人はよく、英語のスペルをローマ字読みして見たまま発音したり、日本語の母音「あいうえお」の発音を元にして英語の発音をしてしまいます。これは、日本語に外来語が多く、普段の生活で多くの和製英語を使ってしまっていることが原因と言えるでしょう。よく挙げられる例で言えば、「ファストフード」や「マクドナルド」というフレーズなどです。「ファストフード」も「マクドナルド」も英語ですが、カタカナの表記に慣れてしまっているため、本来の英語の発音を知らない場合が多いのではないでしょうか。

また、日本語でよく使う「コンセント」や「ファイト」などの和製英語もそうです。日本語で当たり前によく使いますが、英語でconsentは「同意」や「契約」という意味、 fightは「戦う」という意味になってしまうのです。気づかずにそのまま使ってしまうと、本来自分が言いたかったものとは全く違う言葉になってしまいます。言い過ぎのように思われるかもしれませんが、日本で使われるカタカナ英語は、もはや英語ではないと思って、忘れるようにしましょう。

<子音+母音>

日本語の仕組みとして、発音するときは常に子音+母音という構造になります。例えば、「わ」はW+A、「た」はT+A、「し」はS+Iといった感じです。ですが、英語の発音はこうはなりません。上に挙げた例で言えば、「ファストフード」のスペルはFast Foodであり、最初のTの後にOがあるわけでもないですし、最後のDの後にもOはありません。ですから、語尾を日本語の「ト」や「ド」のようにはっきりと発音してしまうと、日本語訛りの英語になってしまいます。

これは、語尾だけの問題だけではなく、単語の途中にある子音や母音にも同じことが言えます。筆者はexperience(経験)という単語を発音するとき、PEの部分を日本語の「ぺ」のように発音していました。しかし、イギリスに留学してから、イギリス人の友人に、その発音は伝わるけれど変!と言われてしまいました。本来は「ぺ」ではなく「ピ」と「ぺ」の間のような、日本語にはない発音をしなければいけないそうです。このように、日本語の子音+母音の発音に慣れてしまっている場合は、英語の発音をするときに要注意です。

<フラットすぎる>

日本語の発音には、あまり大きなアクセントやイントネーションがありません。同じ音の「橋」と「箸」を言い分けるために、わざとイントネーションを変えることはあるかもしれませんが、普段の会話でアクセントやイントネーションを気にすることはさほどないでしょう。ですが、この調子のまま英語の発音をしてしまうと、英語のネイティブにはフラットすぎて聞き取りづらいと思われてしまうようです。ですので、英語を話すときは、大げさでもいいのでアクセントやイントネーションをつけ、英語のリズムに合わせて発音するようにしましょう。これは、とにかく英語をたくさん聞いたり、シャドーイングをすることによって克服されると思います。まずは英語のリズムを真似するところから始めて、アクセントやイントネーションのコツをつかんでいきましょう。

<舌と喉の使い方>

これは上記のフラットな英語の原因とも言えますが、日本語は主に喉の先の方からだけ音を出すので、舌も喉もあまり動かさずに日本語を話すことができてしまいます。ですが、英語はそうはいきません。英語は喉の奥から音を出し、また舌や口の奥の方までフル活用して発音します。例えば、こちらのビデオをご覧ください。<https://www.youtube.com/watch?v=T4KRbENmFDk&t=47s>

人間が英語を様々な感情を込めて話しているときに、舌や喉がどのように動くかを横からレントゲンで撮影したものです。これを見てびっくりするのは、こんなにも舌や口の奥が忙しく動いているのか!ということです。舌が1つの位置に留まることはほとんどなく、口先から喉元まで移動したり、上あごをはじいたりしています。

これらの舌や喉の動きをいきなり真似しようとしても、日本人は全く使わない筋肉なので、こればかりは訓練しなければできるようにはなりません。英語を話すための舌のトレーニングや喉のトレーニングは、書籍やインターネットなどでいろいろ公開されていますので、ご参照ください。

<RとLの発音>

さて、ここからは具体的な発音の話をしていきます。RとLの発音は、日本人にとって最も苦手だとされています。というのも、日本語の類似音は「ラリルレロ」しかなく、その音を英語ではRとLで使い分けなければならないからです。よく日本人訛りの英語をからかわれるネタとして、SorryとHelloがあると思います。どちらも頻繁に使う英単語ですが、日本人が苦手なRとLの発音がそれぞれ入っています。

まず、Sorryはカタカナで表すと「ソーリー」ですが、日本語の「リ」を発音しようとしてしまうと、どうしても舌が上あごに付いてしまいます。これは、英語のRの発音とは異なります。Rの発音は本来、舌がどこにも付かない状態で発音する音です。より詳しく言えば、舌を喉の奥の方にぐっと引く感じです。日本の英語教育で、Rは巻き舌をして発音するとよく習いますが、これは間違いです。確かに、巻き舌は上あごに付かないという点で正しいと言えるかもしれませんが、あまり強く舌を巻いてばかりいると、それはそれで間違ったRの発音になってしまいます。Rの発音を巻き舌で発音する人があまりに多いので、不名誉なことに、巻き舌英語も日本人訛りの英語として捉えられてしまっているのです。ですので、舌が上あごに付いてSollyのような発音にならないように、かつ舌を巻きすぎて巻き舌英語にならないように、練習を繰り返しましょう。

また、もう一つよく使うHelloも、Lの音をしっかりと意識して発音しないと、英語のネイティブにとっては変な風に聞こえてしまいます。Lは舌を上あごに打ち付けてはじくような音を出します。SorryにしろHelloにしろ、どちらも非常によく使う英語なので、これらをまず矯正し、日本人訛りの英語から脱却する準備を始めましょう。

<BとVの発音>

これらの発音も、日本人にとっては使い分けるのが難しい発音なのではないでしょうか。日本語では一応、「バビブベボ」と「ヴァヴィヴヴェヴォ」と書き分けることは可能ですが、普段の生活でこれらの発音を使い分けているという人はいないと思います。しかし、英語ではBとVの発音をしっかり使い分けないと、全く違う単語になってしまうのです。例えば、動詞のBowは「お辞儀をする」という意味ですが、Vowは「誓う」という意味です。BとVの発音を使い分けないと、正しい意味がきちんと伝わらないかもしれません。

なお、Bは上唇と下唇をくっつけた状態から「バビブベボ」という発音をします。これは日本語の「バビブベボ」とほとんど同じです。一方Vは上の歯で下唇を噛んだ状態から「ヴァヴィヴヴェヴォ」と発音します。最初はなかなか使い分けるのが難しいですが、練習を繰り返して、思わぬ単語の言い間違いがないように気をつけましょう!

<SとCとTHの発音>

さて、これもまた日本人が嫌いな発音です。Sの発音は日本語の「サシスセソ」で良いとしても、Cは「(ス)シィ」のような発音になります。そしてTHの発音は、日本語にはありません。THの発音は舌を上の歯と下の歯で挟んだ状態で、息を吐き出したときに出る音です。それぞれを使い分けるのが大変ですよね。

これももちろん、発音を間違えることによって全く違う意味になってしまう可能性があります。例えば、Let me thinkという例文を使いましょう。正しくTHの発音ができていれば、「(私に)考えさせて」という意味になります。ですが、これをSの発音で言ってしまうとLet me sink、つまり「私を沈めて」という意味になってしまうのです。こんな恥ずかしい言い間違いはしたくないですよね。特にTHは日本人にとっては難しい発音ですが、大げさと思われるくらい下を前に出し、歯と歯の間に挟んでから発音するようにしましょう。

<まとめ>

ここまで日本人の英語の発音について詳しく見てきました。日本人訛りの英語でも、会話ができればいいやと思っている方もいらっしゃるかもしれません。ですが、そもそも間違った発音をしていたら、上記で挙げたように、自分が言おうとしていた言葉とは違う言葉だと勘違いされてしまうかもしれません。また、学校の先生や英会話の先生、あるいは仲が良くなった外国人にはきちんと通じているから、私の英語は大丈夫、と思っている方もいらっしゃるでしょう。ですが、日本にいる先生や外国人は、日本人訛りの英語に慣れています。だから、日本人訛りの英語で話していても伝わるのです。実際、海外に出て、一度も日本人と話したことがない英語のネイティブと会話をすると、もしかしたら自分の英語が全然通じない!なんてことにもなりかねません。

きれいな発音の英語で話せるということは、英語を正しく勉強した証拠です。海外に出て、知らない人と話すときでも、正しい発音がわかっていれば、自信に繋がるでしょう。口や舌の筋肉を鍛える訓練をすれば、日本人でもネイティブのような英語を話せるようになります。日本人訛りでもいいやと思ってあきらめてしまわずに、正しい発音で英語を話せるよう、今から練習を始めましょう!

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