フォニックスとは? スピーキング力を向上させるカギはフォニックスにあり!

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「フォニックス」という言葉を聞いたことはありますか?

学生時代、数年間勉強しても一向に英語が上達しない日本人。。最近では特にスピーキング力が重要視されてきているため、日本の教育現場でも注目され力を入れている分野です。

フォニックスとは?を一言で説明すると「英語の読み方の方法」です。

英語圏に住むの小さな子ども達もフォニックスを活用して勉強しています。今回はフォニックスとはどのようなもので、英語を学ぶ上でどのようなメリットがあるのかをご紹介しますので「英語の発音を良くしたい!」と感じている方は是非参考にしてみてくださいね。

日本人の前に開かるスピーキングの壁

間違えることを恐れる傾向がある日本人は、英語に関しても「完璧にマスターできたら話す!それまでは自分の英語をさらしたくない!」と考える方が多いようです。私自身も最初は自分のスピーキングに自信が持てず話すのが恥ずかしいと感じながらスピーキングしていました。

他のアジア圏の人たちが流暢な英語ではないのに堂々と話せるのは、そういった価値観がないからできることなのかもしれません。

ただ、一つ言えることとして発音に関しては日本人と外国人の舌の構造がそもそも違います。もともと、日本人は英語を発音しにくい舌の構造をしているのです。

更に言えば、日本語と英語の発音の仕方が全く違い、日本語にない発音方法がほとんどのため、うまく発音できないことは仕方がないのです。しかし、TOEICのリスニングの問題でイギリス英語やアメリカ英語の発音だけでなく、世界各国の様々なイントネーションの英語が使用されているように、日本語なまりの英語があってもいいのです。決して完璧を目指す必要はありません!

そうは言っても、出来る限りネイティブの発音に近づけていきたいですよね。

英語を何年勉強してもなかなか話すことができない。話せるけれど自分の英語に自信がない。とお悩みの方々に是非知っていただきたいのが、この「フォニックス」なのです。

フォニックスとは?

フォニックスとは最初にご紹介したように「英語圏に住むネイティブの子どもたちが取り入れている発音の学習方法のこと」です。

幼稚園に通う子どもたちが読み書きを習う前に、まず習得するのがこのフォニックスなのです。フォニックス=英語の読み方と考えてください。ネイティブの人たちも一番初めに学ぶものだと思うと、英語を話せるようになりたいと思う人たちがフォニックスを学ぶことは、とても理にかなっていますよね。

もちろん英語を学ぶ子どもたちだけでなく、大人の方にもきちんと効果が現れてくるメソッドですのでご安心ください。フォニックスは英語の勉強をゼロからスタートされる人や、ご自身の発音を矯正したいという方達にも是非おすすめしたい発音の学習法です。

英語は母音と子音が組み合わさって音を作っています。それらの組み合わせ方によって発音の仕方が異なるため、様々なパターンのフォニックスをどのように発音するのかを覚える必要があります。

フォニックスには様々な流派があり、その流派によってフォニックスの分類などが変わってくるので多少の誤差がありますが、約90種類ほどあると言われています。90種類と聞くと結構な数ですし、覚えるのが大変じゃないかと感じるかもしれません。

しかし、それらを覚えることで今の英語の能力が格段に上がると思うと、試してみる価値は大いにあると思います。

私とフォニックスの出会い

私は大学卒業後、日系航空会社に数年勤めた後、公立中学校の英語教諭になりました。フォニックスの存在は知っていましたが、高校時代に留学を経験し、大学では英文科を専攻していたにも関わらず、きちんと学ばないまま卒業しました。

私自身、英語に触れる機会が多い環境にいたこともあってか「英語を学ぶ」ということの重要性について深く考える機会はなかったです。しかし、英語を教える立場にたつことでその重要性を肌で感じてしまいました。

英単語の上にカタカナで読み方を書く生徒の多さに驚きましたし、正しく発音することが気恥ずかしいという雰囲気にこのままではいけないと危機感を覚えました。そこで私は、発音にフォーカスをして教えることがとても重要であると感じたのです。

これがフォニックスを学び始めたきっかけでした。

私の場合は、ある程度スピーキング力には自信があったのですが、フォニックスを学んだことでそれぞれの発音に対する裏付けができ、それぞれの音をどのように発音をするのかを生徒に教える上でとても役立ちました。

日々教えなければならないことがたくさんある中でも、必ず毎授業のはじめにフォニックスを使った単語の発音練習を欠かしませんでした。生徒たちもどのように発音するかを理解しはじめてからは、知らない単語もどのように発音するのかを自分で考えるようになっていきました。これは私にとってもとても大きな収穫でした。

インターナショナルスクールでの衝撃的な光景

私は、都内某所に夫と3歳と1歳半になる息子たちと暮らしています。私たちが住んでいるその地域は、教育に熱心な方が多くいる場所で、子ども向けの英会話教室も乱立しているような場所です。

中学生、時には小学生に対して英語を教えてきた経験はありましたが、幼児の英語教育は全くもって未知の世界であり、どのようなものなのか以前からとても興味がありました。

そこで先日、1歳半の息子を連れとあるインターナショナルスクールに見学に行きました。生徒のほとんどが日本人ですが、先生たちはネイティブの方々がずらり。一度学校の中に入ったら日本語は一切厳禁というルールのもと、2〜6歳の子どもたちがネイティブ並みの英語を話していました。

「日本にいながら、しかもほとんどが日本人の子供たちの環境の中、こんなにも流暢な英語を話せるようになるとは!」と、とても驚き、感動をしました。

そして、そのスクールが最も力を入れていることが、ずばり「フォニックス」だったのです。入学したばかりの2歳児たちもフォニックスの歌を歌ったり、ジェスチャーを使いながらの発音練習などをし、徹底的にフォニックスを体に叩き込むのです。

毎日反復学習をすることで英語を話す上でのベースとなる力が出来上がっていくのです。そして、フォニックスを覚えた子どもたちは読み書きという段階に進んでも、フォニックスを知らない子どもたちよりもすんなりと理解できるようです。(ちなみに、そのスクールでは年長(5〜6歳)になると英語の絵本の要約などを自分で考え、英語で文章を書くことができるようになるそうです。)このスクールでの出来事は、私の中でもとても大きく、そしてフォニックスがいかに大切なのかを再認識させられるものでした。

フォニックスと発音記号

様々なアプローチはあると思うのですが、発音を上達させる上でとても役に立つのが「フォニックス」と「発音記号」です。発音記号もとても役立つツールなのですが、ではなぜ発音記号ではなくフォニックスなのでしょうか?

なぜ発音記号ではなくフォニックスなのか?

学校の教科書や英語の辞書などに記載されている発音記号は、多くの方々が目にしたことがあると思います。発音記号とは、単音母音12個、二重母音8個、子音 24個の大きく分けて3 種類44 個からなる記号のことです。

この発音記号もひとつひとつ覚えれば、英語の正しい発音をマスターすることができます。確かに、フォニックスの方が発音記号よりも細分化されているため覚えることは多く大変そうに感じます。しかし、それでもフォニックスをマスターするメリットがたくさんあるのです。

フォニックスを学ぶメリット

1)英語の発音がきちんと覚えられる

フォニックスをマスターすることができれば、単語を見て音を繋げることで発音することができます。そして何より、日本人が陥りがちな「カタカナ英語」からの脱却ができます。教科書や単語帳にカタカナで読みを書いていた方、結構いらっしゃるかと思います。英語の音をカタカナに変換してしまうことこそが、日本人の発音の力が伸びない原因なのです。

2)単語を見てどのような発音をするのかを予測することができる

フォニックスを学べば、カタカナ英語にならないと先ほどもお話をしました。フォニックスできちんとした発音を覚えていれば、その単語を見てどのような音が組み合わさっているかを考えることができるので、知らない単語でもどのような発音をするのかを予測することができるのでとてもおすすめです。発音記号を覚えた場合は、その記号がないとどのように発音するのかを判断することができないため、その都度辞書などで発音記号を調べなければなりません。これこそが発音記号のデメリットであり、フォニックスの強みといえるでしょう。

3)耳にした言葉を文字に起こすことができる

フォニックスをマスターすることができれば、知らない単語を耳にしたときでもその単語の綴りを予測することができます。この訓練をすれば、リスニング力はもちろん、語彙力の向上にもつながります。

4)読解力が上がり、正しい英語のスペルを覚えることができる

正しい発音を覚えることで、正しいスペルが頭に入り、正しい語彙を覚えることができます。正しい語彙力をつけることで、読解力の向上にもつながっていきます。

フォニックスの簡単な仕組みについて

アルファベットのABCを読むとき、私たちは「A=エー」『B=ビー』『C=シー』「D=ディー」と読みます(これを「アルファベット読み」といいます)。これに対し、フォニックスでは「A=ア」、「B=ブ」、『C=クッ』、「D=ドゥ」と発音します(これを「フォニックス読み」といいます)。

mapという単語を例にしてみます。mapを発音する際に、私たちは「m=エム、a=エー、p=ピー」とは言いません。「m=ム+a=ア+p=プ→ムアプ→マップ」

というように、音を繋げて読むことでmapというひとつの単語になるのです。このように、フォニックスは英語の音節ごとに区切り、それらの音をつなげることで発音していくのです。

フォニックスは大きく分けると4つのグループに分類することができます。Vowels(母音)、Consonants(子音)、Blends(2音以上の混合された音)、Combinations(2文字以上の1つの音)で成り立っています。流派によっては、これがそれ以上の数のグループに細分化されていることもあります。

フォニックスの覚え方

1) アルファベット26文字がそれぞれ持つフォニックス基礎発音を覚える

フォニックス基礎発音表(アメリカ英語での表記)

Aa

[æ]ェア

Bb

[b]ブ

Cc

[k]ク

Dd

[d]ドゥ

Ee

[e]エ

Ff

[f]フ

Gg

[g]グ

Hh

[h]ハッ

Ii

[i]イ

Jj

[dʒ]ジュ

Kk

[k]ク

Ll

[l]ル

Mm

[m]ム

Nn

[n]ヌ

Oo

[ɑ]

Pp

[p]プッ

Qq

[kw]クゥ

Rr

[r]ル

Ss

[s]ス

Tt

[t]トゥ

Uu

[ʌ]

Vv

[v]ヴ

Ww

[w]ウォ

Xx

[ks]クス

Yy

[j]ィヤ

Zz

[z]ズ

※ここにはわかりやすいようにカタカナで表記してありますが、英語の正しい音をカタカナで表記することはできません。あくまでも、英語の音に近いものと考えてください。

2) 2文字を合わせたフォニックスや例外的な発音をするフォニックスを覚える

26文字の基礎発音を覚えた後は、2文字を合わせたフォニックス、そして例外的な発音をするフォニックスを学んでいきます。とても数が多いためこちらでご紹介することができませんが、私がおすすめしたい教材をご紹介します。

おすすめの教材

インターネットのサイトでもフォニックスに関する記事や無料動画がたくさんありますので、パソコンやスマートフォンで気軽に学んでいただくこともできます。

しかし、きちんと習得されたいのであれば、やはりテキストを購入していただくことをおすすめします。教材を選ぶ際は、きちんとした音に触れていただきたいので、CDやDVDが付いたものが良いでしょう。そこで私がおすすめするテキストを2種類ご紹介させていただきます。

おすすめのテキスト 2選

CDBフォニックス<発音>トレーニングBOOK (アスカカルチャー)

フォニックスを学ぶ上でのバイブルと言っても過言ではないのがこちらの一冊。この1冊で86種類のフォニックスを学ぶことができ、正しい発音も身に付きます。もちろんCDも付録としてついてきます。一定のリズムに乗ってネイティブの発音を聞き発声練習をしていくスタイルです。フォニックスを初めて学ぶ方にも、ご自分の発音を修正したいなとお考えの方にもおすすめしたい一冊です。

フォニックスってなんですか? 発音確認 エクササイズ用CD付

mpi (松香フォニックス)という英語教室をご存知の方もいるのではないのでしょうか。著者の松香洋子さんは、そのmpiの創始者であり、日本での英語教育の開拓者と言われているとても偉大な方です。この本では、エクササイズCDを使い84種類のフォニックスの発音ルールを学ぶことができます。とてもわかりやすくまとまっているので、英語をはじめて学習する中学生などにもおすすめの一冊です。

番外編〜おすすめのアプリ〜

 

Jolly Phonics Letter Sounds(App store)

Jolly Phonics Letter Sounds(Google play)

有料のアプリになりますが、こちらもおすすめです。世界各国の政府から公認されているフォニックスの王道であるジョリーフォニックスは、イギリス発祥のフォニックスメソッドです。ベーシック版やレッスン形式のものなどがあり、とてもわかりやすいかと思います。

まとめ

いかがでしたでしょうか?フォニックスを知らなかった人もそうでなかった人も、是非この機会にフォニックスを学び、正しい発音をマスターしてみましょう!そして、自分の英語に自信を持ち、今よりもっと成長した素敵な自分に出会ってみませんか?

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