TOEIC初受験でリスニング満点を獲得した短期集中型勉強方法

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • Pocket
  • LINEで送る

TOEICで高得点を獲得するには、リスニングの対策が欠かせません。リーディングに関して、ある程度までは点数が伸びやすいです。ただ、リーディングは時間制限の厳しさから一定の点数以降、伸び悩みます。一方でリスニングは正しい対策を行えば高い点数を獲得することが可能なパートです。

私は5ヶ月程度の対策でリスニング満点を獲得しました。それまでセンター試験のリスニングなど、対策は一切行ったことがなく、リスニングに関しては0からのスタートで5ヶ月です。

「才能があるからじゃないの?自分は才能がないから…」という方もいるかもしれません。

しかし私はリスニングが苦手でリスニングの試験のない大学を受験したほど、リスニングが苦手でした。また、今でもSとTHの発音の違いが全よくわからないというくらい耳もよくありません。

それでも正しい対策を行えば、TOEICのリスニングは比較的短期間で高得点を獲得できます。この記事では、5ヶ月でリスニング満点を獲得した、私が実際に行った勉強方法を全てお伝えしていきます。

1.「英語力」ではなく「TOEIC力」を鍛えるための勉強を

TOEICには「TOEIC力」というものがあります。「TOEIC力」と「英語力」には密接な関係がありますが、イコールではありません。

TOEICのリスニングのスコアが400を超えているにもかかわらず、外国人と話すと英語を全然聞き取れなない人もいれば、英語をペラペラ話して、英語サイトのネットサーフィンが趣味にもかかわらずTOEICを受けるとスコアが低い人もいます。この矛盾を説明するのが「TOEIC力で」す。

TOEICのリスニングで高得点を目指す人は「英語力」ではなく、「TOEIC力」を鍛える勉強をしましょう。

TOEICリスニングの勉強方法として、洋画や海外ドラマを観たり、オンライン英会話を習ったり、外国人YouTuberの動画を観ることを推奨している人がいます。しかしこれらの勉強方法は非効率です。

繰り返しになりますが英語に触れることが目的ではなく、TOEICリスニングで正しく解答することが目的なのです。例えるならば、バスケットボールが上手くなりたいのに、基礎筋力とジャンプの練習ばかりしても非効率なのと同じです。バスケットボールが上手くなりたいなら、実際にボールを使ってパスやシュート、ドリブルの練習をすべきでしょう。

2.まずはTOEICに集中し、最短でクリアする

TOEICリスニングでの高得点を目指すなら「英語力」は鍛えるな!と言われると「それでは字幕なしで映画を見たり、ネイティブと楽しく会話する英語、「使える英語」が身につかないのでは?」と感じるかもしれません。確かにTOEIC力を鍛えることはあくまで「TOEICで高得点を取る」ことにしか繋がりません。いわゆる「使える英語」が身につくことにはなりません。

しかし焦る必要はないです。

TOEICのリスニングはしっかり勉強すれば、数ヶ月程度で高得点を取ることができます。今、あなたが必要としているのは「TOEICでの高得点」ですよね?まずはTOEICリスニングで高得点を取るための勉強に集中すべきです。その後、必要に応じて「英語力」、いわゆる「使える英語」の勉強をして行けば良いのです。

TOEIC力と英語力はイコールではありません。ただ、TOEICリスニングを徹底的に鍛えた人は英語に慣れています。そのため、TOEIC力を鍛えれば、その後の英語力の伸び率は飛躍的に高くなるということは断言出来ます。

TOEIC力を鍛える勉強と英語力を鍛える勉強を並行して行うことも可能ですが、並行して勉強をすると効率が悪いです。それなら先にTOEICで目標とするスコアを獲得してから、今後はTOEICの勉強はやめて英語力を鍛える勉強に移行したほうが良いです。

TOEICのリスニングの勉強に関する大前提を解説してきました。次は具体的な勉強方法を紹介していきます。

3.TOEICリスニングの具体的な勉強方法 単語編

3.1.リスニング高得点のためには単語からスタート

TOEICのリスニングで高得点を取るためには英単語の勉強が大切です。英文を聞き取る耳ばかり鍛えても出てきた単語の意味がわからないと高得点を取ることは出来ません。

まずは、TOEICのリスニング問題を実際に解いてみてください。そして、答え合わせをする際に英語文章の中に知らない単語が出てくることが多いようであれば、英単語の勉強不足です。

リーディングの場合、文章中に知らない単語が出てきても、前後の文脈から推測することができます。ですがリスニングの場合、前後の文脈から推測するのは難しいです。単語を知らないということがリスニングでは命取りになります。

聞き取ることは出来なくても、問題文で単語を見たときに出てくる全ての単語が理解できる。まずはこの状態を目指して行きます。

単語力が足りない状態で単語以外の勉強をしても非常に効率が悪いです。

TOEICリスニングで高得点を取るために、まず最初にやるべきは単語の勉強です。最初はできる限り多くの時間を単語学習に割き、早めに終わらせてしまいましょう。

単語を勉強するときは1つ注意点があります。それは「自分が発音できない単語は聞いても理解することはできない」ということ。単語を勉強するときにありがちなのが、単語のスペルと意味だけしか暗記しないことです。これではリスニングで使える単語にはなりません。

単語を勉強するときは必ず発音も一緒に覚えていきます。「発音まで一緒に覚える」これがTOEICのリスニングで高得点を取るための第一歩です。

3.2.TOEIC単語勉強のおすすめ教材

3.2.1.「改訂第2版キクタン【Basic】4000語レベル (アルク学参シリーズ)」

参考URL:amazon

基本的なボキャブラリーが足りない方はまずは「改訂第2版キクタン【Basic】4000語レベル (アルク学参シリーズ)」をおすすめします。4000語と聞くと多く感じるかもしれませんが、既に知っている単語も多いはずです。

キクタンにはアプリ版があります。アプリ版について「アルク英単語パスは自分の弱点発見にオススメ!語彙力チェックに最適」で詳しく紹介しています。

初見でわかる英語はチェックをつけておいて、残りの知らない単語を勉強しましょう。「キクタン」で基本的な単語を抑えた後は「TOEIC L & R TEST 出る単特急 金のフレーズ (TOEIC TEST 特急シリーズ)」に移ります。

3.2.2.「TOEIC L & R TEST 出る単特急 金のフレーズ (TOEIC TEST 特急シリーズ)」

参考URL:amazon

「キクタン」で基本的なボキャブラリーを学習した人、または「キクタン」は簡単すぎるという人は、TOEIC教材の大御所「TEX加藤」の「TOEIC L & R TEST 出る単特急 金のフレーズ (TOEIC TEST 特急シリーズ)」だけを徹底的に使い込みます。

この本はTOEICに出てくる単語にフォーカスした教材です。「600点レベル」「730点レベル」「860点レベル」「990点レベル」の4段階に分かれているので、該当箇所を勉強します。

金のフレーズにもアプリ版があります。アプリ版については「TOEIC受験者は必須の単語アプリ!『金のフレーズ2』使い方を解説」で詳しく紹介しています。アプリ版に興味がある方は参考にしてみてください。

3.3.英単語の勉強方法

英単語の勉強方法は単語を読み上げて、日本語訳を確認して、その単語のイメージをしましょう。たとえば、「exaggerate(誇張する)」という単語を暗記する時は、いつも話が大げさな友人が誇張して話している様子を思い浮かべます。闇雲に暗記しようとするのではなくイメージ身近なものや人でイメージすると暗記効率が良くなります。

そしてそのページの単語を覚えたら、手や紙、赤シートで日本語訳を隠して、英語を見ただけで英語を言えるか確認していきます。

これもありがちなのですが最初から完璧に覚えようとする人がいます。最初から完璧に覚えるというのは暗記効率が非常に悪いです。最初のうちは完璧に覚える必要はありません。

エビングハウスの忘却曲線によれば、人間は記憶したことの約70%を1日で忘れます。そのため1度に完璧に覚えようとするのではなく、何度も繰り返し復習することが大切です。

なお復習のタイミングも重要です。下のグラフは時間の経過と記憶の保持率の関係を表します。

出典:University of WATERLOO

https://uwaterloo.ca/campus-wellness/curve-forgetting

初日に1時間勉強したことを2日目に10分、7日目に5分、30日目に2〜4分復習すると、その後は忘れにくくなります。英単語を勉強する際は、ページの左上に勉強した日付をメモしておき、次の日、7日目、30日目に勉強しましょう。

最終的には英語を見て、瞬間的に日本語訳が思い浮かぶ状態にしてください。単語帳を10周くらいすると、瞬間的に日本語訳が思い浮かびます。

4.TOEICリスニングの具体的な勉強方法 リスニング編

単語の勉強が終わったら、いよいよリスニングの勉強です。リスニングの勉強はTOEICのPart別に勉強を開始するのが効率が良いです。

TOEICは問題の出題形式が非常に似ているため、より多くの問題を解けば解くほど高得点を取れるようになります。

4.1.TOEICのリスニングの勉強におすすめの教材

4.1.1.「TOEIC L&R TEST パート1・2特急 難化対策ドリル (TOEIC TEST 特急シリーズ)」

参考URL:amazon

TOEICのリスニングのPart1・2の勉強におすすめなのが、「TOEIC L&R TEST パート1・2特急 難化対策ドリル (TOEIC TEST 特急シリーズ)」です。

著者の森田鉄也は東進ハイスクール・河合塾の講師としても勤務しており、難しい内容をわかりやすく教えることに長けています。Part1が5問・Part2が15問の10セットとなっており、はじめてのTOEICのリスニングの教材としては必要十分でしょう。

4.1.2.「TOEIC L&R TEST パート3・4特急 実力養成ドリル (TOEIC TEST 特急シリーズ)」

参考URL:amazon

その後にTOEICのリスニングのPart3・4の勉強におすすめなのが神崎正哉の「TOEIC L&R TEST パート3・4特急 実力養成ドリル (TOEIC TEST 特急シリーズ)」です。神崎正哉は27回連続でTOEICの満点を取得しており、TOEICの神と呼ぶ人もいます。少し難しいと感じる人もいますが、繰り返しやり込みましょう。

4.1.3.「【新形式問題対応/CD-ROM付】 TOEIC(R) L & R テスト 究極のゼミ Part 2 & 1」

参考URL:amazon

上記2冊でTOEICのリスニングで300〜400点を取る素地ができているはずです。さらなる高得点を目指す人は「【新形式問題対応/CD-ROM付】 TOEIC(R) L & R テスト 究極のゼミ Part 2 & 1」で再度Part1・2の対策を行いましょう。

しばしば「いろんな教材に手を出すな」という意見を耳にすることがありますが、TOEICは問題の解き慣れが一番重要です。

また「初見の問題に対応する力」も様々な教材で多くの問題を解いていくことで、養われます。なおこの教材に書かれている問題の解き方は、非常に参考になりました。

4.1.4.「【新形式問題対応/CD-ROM付】 TOEIC(R) L & R テスト 究極のゼミ Part 3& 4」

参考URL:amazon

最後のPart別の教材としては「【新形式問題対応/CD-ROM付】 TOEIC(R) L & R テスト 究極のゼミ Part 3 & 4」がおすすめです。
利用者のレベル別に、正解を選ぶために重要なポイントや、不正解の根拠などが紹介されています。この本だけでTOEICのリスニングのスコアが100上がったという人もいました。ミニ模試も有効活用しましょう。

5.TOEICのリスニング教材の使い方

ここまで紹介してきた教材はどれも質が高く、TOEICのリスニングで高得点を獲得するのに十分な内容です。にもかかわらずこれらの教材を利用して、TOEICのリスニングで高得点を取れないのは「使い方が悪いから」と考えてみるべきです。

質の高い教材を正しく使うのが重要です。ここからは紹介したリスニング教材の使い方について紹介していきます。

5.1.まずは問題を解く

リスニングの教材では、まず問題を解きます。Part1が5問・Part2が15問の10セットとなっている教材だとしたら、1セットを通して解きましょう。そして1回目で分からない部分については、答えを見る前に分からなかった箇所をもう一度聞きます。そして答えがわかったら、その問題に2回聞いたことを表すマークをしておきましょう。

5.2.答え合わせをする

続いて答え合わせをしていきます。間違えた問題は問題文の方に間違えたことがわかるようにチェックしていきましょう。間違えた問題は何度かやり直します。もし知らない単語があれば、ノートにまとめて覚えてください。

5.3.音読する

解説を読んで理解した後は音読をします。音読は大きい声でする方が効果的という意見もありますが、音量1のテレビ程度のほぼ聞こえない程度の音量で音読しても十分に効果がありました。日本語訳を確認しながら5〜10回程度音読します。

5.4.オーバーラッピングをする

その後はオーバーラッピングです。オーバーラッピングとは「英語の音声と同じ速度で英語の文章を読み上げる勉強法」です。オーバーラッピングをすると音声情報と文字情報を関連づけて理解し、「この文章が、こう話される」という勘が身につきます。この勘は非常に重要です。

5.5.文章を暗記する

最後に高得点を目指したい方は文章を丸暗記します。文章を丸暗記することで、「この文章が、こう話される」というより強力な勘が身につきます。たとえば「ドゥー ユー ウォント ミー トゥー クローズ ザ ドーアー?」という英語を聞くと、多くの人は「Do you want me to close the door」と変換してから「窓を閉めて欲しい?」と意味を理解します。

しかし文章を丸暗記して勘を身につけると、音声を聞いて英語に変換されずに、まるで日本語を聞いたように、日本語訳が入ってくるようになります。もちろん丸暗記した文章に限ったことではありません。多くの文章を丸暗記することで、初見の文章でも日本語を聞くように、日本語訳が思い浮かぶようになります。

6.ひたすら模試・過去問を解く

ここまでの勉強でかなりのTOEICのリスニング力が付いているはずです。最後に模試を解いて仕上げをしていきましょう。ここまで紹介してき他教材を徹底的に使い込むということが大前提ではあります。ただ、解く模試の量は多ければ多いほど高得点につながります。

6.1.TOEICの模試・過去問のおすすめ教材

ここでは一覧でTOEICの模試のおすすめ教材を紹介していきます。

TOEIC(R) L&Rテスト 究極の模試600問+

参考URL:アルクショップ

TOEIC Listening & Reading 問題集 6

参考URL:amazon

TOEIC Listening & Reading 問題集 5

参考URL:amazon

TOEIC(R) L&Rテスト 「直前」模試3回分

参考URL:amazon

ここで紹介した模試以外にも、可能な限り、できるだけ多くの模試や過去問を解いておきましょう。繰り返しになりますが、問題の傾向が似ているTOEICでは「解き慣れ」を作るのが大切です。たくさん解くことでTOEICという試験に慣れることが出来ます。

模試、過去問を解く際に1点だけアドバイスがあります。「1冊はテスト直前になるまで手をつけずに残しておく」ことです。テスト直前までに全て解いてしまうと、初見の問題に対応する力が落ちるからです。本番直前に残った1冊を解くことで初見の問題でも焦らず解く、対応力に繋がります。

6.2.TOEICの模試・過去問の使い方〜時間を測る

TOEICの模試・過去問は必ずリスニングとリーディングを通して、時間を測って解きましょう。ほとんどの人は2時間も集中して問題を解くことはできません。リーディングで集中力を切らしてしまい、点数を落とす可能性があります。全て通して解いて集中力を養ってください。(TOEICの模試や過去問に手を付ける前に、リーディングの勉強も済ませましょう)

模試・過去問は解き慣れするのと同時に集中力アップの練習のためにも使います。自分がどのくらい継続して集中できるのか?試験前に自分自身で理解しておくことも大切です。

なお解き終わった後の使い方は、TOEICのリスニング教材の使い方を同じです。リスニングの分からなかった問題は2回目を聞いて、最後は暗記まで済ませます。模試・過去問を解きっぱなしにせず、間違った箇所は自分の弱点として捉えて、必ず復習しておきましょう。

7.TOEIC試験直前のリスニングの勉強法

7.1.間違った問題を復習する

TOEICの試験直前はこれまで解いてきた教材のマークが付いている箇所、間違えた問題と2回聞かないと分からなかった問題をもう一度解いていきます。試験直前に解き直すことで自分が理解出来ていなかった部分を改めてチェックし、理解を深めることで高得点を目指します。

さらに、残しておいた模試・過去問1冊を終わらせます。先述したように1回分は最後の最後まで取っておいて、試験直前に解くことで、初見の問題に対応する力が落ちないよう、トレーニングして本番に望みましょう。

7.2.TOEICのリスニングの勉強は場所にも注意

どこで勉強するのかもTOEICのリスニングで高得点を取るためには重要です。自宅でイヤフォンをしてリスニングを勉強したり、静かな自室で勉強したりする人は多いです。

しかし実際に試験を受けるのは、咳やくしゃみをする人や鼻をかむ人、ペン回しをしてカチャカチャと音を立てる人、やたら鼻息が荒い人がおり、雑音がある場所です。スピーカーの音質が悪くくぐもって聞こえることもあります。

快適な環境での勉強に慣れすぎていると、試験会場では緊張と環境の違いから実力を出せないことが多いです。「過去問だとリスニング満点だったのに全然ダメだった」という人もいます。

私は公園にあるテーブルで模試や過去問を解いたり、カフェでイヤフォンを耳に完全に刺さずに敢えて雑音が入りやすい状態を作って過去問を解いたりしました。私の例は極端かもしれませんが、より試験本番と近い環境で過去問や模試を解く経験を重ねて、圧倒的な集中力を手に入れましょう。

まとめ

TOEIC力と英語力が別物であることを理解したうえで、ここまで紹介した流れに沿って勉強すれば数ヶ月でTOEICのリスニングで満点を目指すことができます。

TOEICマニアでもない限り、TOEICを受験するのは目的があるはずです。留学や就職、昇進など、目的達成のためのTOEIC受験は可能な限り短期間で達成してしまいましょう。

TOEIC高得点という目的を達成したあとは、ネイティブと楽しく会話をしたり、ビジネスで即戦力になるための英語学習など、実用的で楽しめる英語学習にシフトしてみてください。

この記事がその一助になれば幸いです。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • Pocket
  • LINEで送る